山谷メーデー集会をかちとる
東京・山谷日雇労働組合
全国寄せ場からの連帯アピール
5月1日、東京・山谷日雇労働組合(東京・山日労)は、台東区清川区民館で山谷メーデー集会をかちとった。集会には、越年・越冬闘争、天皇主義右翼ファシスト=金町一家解体にむけた日雇い労働者全国総決起集会、寄せ場春闘集中行動、反戦闘争などの春期の闘いを共に闘ってきた山谷労働者が多数結集し、闘う熱気が会場を埋める。
午後5時半、東京・山日労の執行部が司会に起ち、「メーデー集会の成功をかちとるぞ」「アブレ―野垂れ死に攻撃を粉砕するぞ」「『反戦・反失業』を闘うぞ」「東京・山日労は闘うぞ」という力強いシュプレヒコールを参加者全体であげて、集会を開始する。
集会の第Ⅰ部は、寄せられた連帯アピールの紹介、寄せ場春闘集中行動をはじめとする春期の闘いの報告と今後の「反戦・反失業」の闘いの方針を内容とする基調提起、討論という順番で進められた。
全国の寄せ場でメーデー行動に取り組んでいる各日雇労働組合、「労働者の会」からの連帯メッセージが司会によって代読される。
「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」は、「大阪市は、警察と一体となり公園で野宿をする労働者の排除を進め、4月から『廃品の持ち去り厳罰化』の条例を施行して、廃品回収で収入を得ている労働者の生活を破壊しようとしています」「われわれは、寄せ場春闘として、2月から求人業者へ要求書提出行動を行ない、3月24日には大阪府・市に対して『センターの縮小・移転をやめること』『高齢者特別清掃事業の予算を大幅に増やし、希望者は週3回以上仕事に就けるようにすること』、大阪労働局には『公的就労対策事業を早急につくること』などを要求し闘ってきました」。
福岡・築港日雇労働組合は、「寄せ場そのものを解体してしまおうという攻撃が強められています。福岡市長・高島は、外国人観光客の呼び込みだの様々なイベントを催すことによって、街に金を落とさせることだけに躍起になり、野宿をしているだけで、『邪魔者』扱いにする動きを強めています。俺たちは、毎週福岡市に対して、『仕事よこせ』の声をたたきつけています」。
東京都地域連合労働組合が連帯メッセージ
沖縄・首里日雇労働組合は、「沖縄は、最低賃金、完全失業率、『非正規』率、『ワーキング・プア』率、貧困率といった、労働・生活に関するどの数値をとって見ても、『全国ワースト・ワン』の状況にあります。貧困問題と基地問題とは一つの問題の裏表であり、沖縄を占領する基地をなくさなければ、貧困もなくすことはできません」「沖日労は、沖縄における『日雇雇用保険制度』の適用拡大、『公的就労対策事業』の実施などを求めて、沖縄労働局、沖縄『県』、那覇市に対する行動をさらに強化していく決意です」「名護新基地建設阻止の闘いも、いよいよ決選局面を迎えています。沖日労も、連日のように現地に決起し、ともに闘っています。
山谷メーデー集会に寄せられた東京都地域連合労働組合の連帯メッセージが読み上げられる。「私たちは、この間、山谷での越年・越冬闘争、夏祭りの支援、フィリピン・トヨタ争議の支援、韓国サンケン労組の争議支援など、闘う労働者の支援活動を行なってきました。また、『日の丸』『君が代』の強制に反対する教育労働者と連帯し、処分発令抗議行動や、都立高校の卒業式でのビラまきをやりぬいてきました」「安倍は、日本労働運動を『一億総活躍社会』などという『富国強兵』政策を支える労働運動=『産業報国会』型労働運動へと一気に転落させようとしています」「今、朝鮮半島をめぐる情勢は、朝鮮反革命戦争開戦への一触即発の状態です。安倍極右政府は、米帝・トランプと共に、朝鮮反革命戦争に突撃しようとしています。今こそ、戦争に反対する労働組合の旗を守り抜き、朝鮮反革命戦争を粉砕する闘いに起ち上がろうではありませんか」「この戦争突撃情勢下、『反戦・仕事よこせ』の闘いを闘いぬく東京・山日労と今後も結びつき闘うことを決意して連帯メッセージとします」。
東京・山日労が基調提起
東京・山日労が山谷メーデー集会の基調を提起する。基調は、第一に、「3・27寄せ場春闘集中行動」で取り組んだ「社会保険未加入」を理由にした建設現場からの日雇い労働者の排除攻撃との闘い、「アブレ金」制度の改悪攻撃との闘い、「仕事よこせ」の闘い、「残業代ゼロ化」などの労働法制改悪阻止の闘いの報告と課題、引き続き課題となっている「城北労働・福祉センター」による「利用者カード」発行拒否―仕事紹介からの排除攻撃との闘い、第二に、山谷で求人する業者への春闘要求の結果の報告と課題、第三に、「反戦・反失業の闘いを爆発させよう」として、「安倍とトランプによる朝鮮反革命戦争開戦の衝動の高まり―反戦の闘いに決起しよう」「辺野古での新基地本体工事の開始を許さず、軍事基地建設を阻止しよう」「闘う労働組合を破壊する弾圧法=『共謀罪』新設攻撃を粉砕しよう」「『残業代ゼロ化』『1ヵ月100時間の残業合法化』などの労働法制改悪を阻止しよう」という内容が提起された。基調提起の最後には、行動方針の提起が行なわれ、翌日5月2日の「共謀罪」新設阻止の国会前行動や、5月10日の「君が代」不起立を闘った教育労働者への「再発防止研修」粉砕闘争、5・23狭山中央闘争への結集が呼びかけられた。この基調提起を受け、活発な討論が行なわれ、「山谷労働者が仕事に就く比重は東京都の『特別就労対策事業』が大きくなっているが、民間で求人する業者に対して『山谷に仕事を持って来い』『ケタオチ賃金許さん』という闘いも強化して行こう」「民間業者に就労している労働者からの聞き取り調査をやろう」といった積極的な発言が続いた。メーデー集会第Ⅰ部の締めくくりに、東京・山日労の執行部が「世界の労働者が命がけで闘い取った『8時間労働制』を解体し、労働者が団結するための時間を奪い取り、戦争に協力する労働運動への転落を強制する攻撃を、本日のメーデー集会で粉砕する決意をあらためて固め、明日からの闘いに撃って出よう」と呼びかけ、参加者全員が「ヨシ!」の声で応えた。
「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」を上映
休憩をはさんで、メーデー集会第Ⅱ部は、「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」の上映だ。
「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」は、2014年、安倍政府が名護新基地建設にむけ、全国から海上保安官と巡視艇を沖縄・名護に動員して強行した海底ボーリング調査を阻止するために決起した沖縄労働者人民を描いたドキュメント映画だ。
「鉄の暴風」と呼ばれた米軍の沖縄上陸作戦の中で、ガマに投げ込まれる手榴弾の炸裂や火炎放射器の炎の中から命からがら逃げ惑った経験を持つ女性が、キャンプ・シュワブの工事用ゲートから進入しようとするダンプカーの前に立ちはだかり、「私を轢き殺してから入りなさい」と運転手に詰め寄る。運転手は、女性の迫力の前に車を動かすことができない。高江のヘリパッド建設阻止の座り込みを続けてきた労働者が家族総出でキャンプ・シュワブのフェンスに夕方から「新基地建設反対」の意思表示としてキャンドルを取り付け、ゲート前を往来する車の運転手に「辺野古の海を守ろう」と呼びかける。この行動に対して海兵隊が「キャンドルを外せ」と通告し、同時に海兵隊からの通報を受けた沖縄「県」警の車両が監視のためにやってくる。海上でボーリング調査阻止行動を闘うカヌー隊には、海上保安庁の「海猿」が多数で襲いかかり、監視する巡視艇には機関砲が装着してある。
安倍政府による「問答無用」、力づくの新基地建設の強行と、それに対する沖縄労働者人民の現地阻止闘争の迫力ある映像を見た参加者からは、「安倍のやり方はひどい」「現地で闘う沖日労を応援しよう」「東京でも防衛省への闘いをやりぬこう」という感想や意見が相次いだ。
最後に、司会の仲間の音頭で「団結ガンバロー」を三唱し、山谷メーデー集会は成功裏に締めくくられた。