「乾坤一擲(けんこんいってき)」

乾坤一擲(けんこんいってき)

 

 安倍政府は、9月25日に臨時国会を召集する調整に入った。臨時国会は、自民党改憲案の提出、「残業代ゼロ化」「1ヵ月100時間残業強制」などを一本化した「労働基準法」改悪案、「相模原事件」を口実にした「精神保健福祉法」改悪案などが焦点となる。▼「共謀罪」の強行制定によって、安倍政府の支持率は大幅に下落した。だが、安倍は、〝戦争屋〟としての宿願である改憲に突き進む姿勢を何ら変えてはいない。民進党の自壊―改憲勢力化と「日本ファーストの会」の改憲への同調を待ちながら、改憲への突撃の機を虎視眈々と窺っている。▼安倍の改憲案は、9条について、「戦争放棄」を明記した1項、「戦力不保持」「交戦権否定」を規定した2項を残した上で、「自衛隊」を明記した3項を新設するというものだ。「戦力不保持」を謳いながら戦力保持を誇る。こんな矛盾を憲法の条文に臆面もなく持ち込み、9条を完全に無意味化しようというのだ。これに途轍もなく危険な「緊急事態条項」新設や「高等教育無償化」をセットにして国会に提出しようというのだ。▼「労働基準法」改悪案をめぐっては、「連合」が政労使合意をもって容認する寸前まで行ったが、闘う労働者からの批判が集中し、一端は頓挫した。だが、「産業報国会」への転落を深める「連合」が同様の動きをするのは明らかだ。改憲攻撃と正面から対決する労働組合運動、「産業報国会」への転落を深める「連合」を突破して闘う労働組合運動、翼賛国会粉砕を闘う労働組合運動の建設を急がねばならない。(木村)