集会と天神デモで日雇いメーデーを闘う
福岡・築港日雇労働組合
須崎公園で決起集会
会場の須崎公園には、集合時刻前から、「仕事よこせ」の対市役所木曜行動を取り組んできた顔なじみの仲間たちが集まっている。築港の寄せ場に立ち続けてきた仲間たちも来ている。もちろん、野宿生活を続けている仲間たちもやって来ている。こうした野宿の仲間の中には、デモにだけは必ず来る仲間なども参加している。仕事がない中、生活保護を受給している仲間もやってきている。この日は生活保護の支給日のため、木曜行動に参加している多くの仲間が欠席しているのが残念だ。
労働者たちが、カレーライスで腹ごしらえを済ませ、音楽堂ステージ前に着席する。1時半、集会の開会が宣言される。
まずは、寄せられたメッセージの代読だ。
東京・山谷日雇労働組合からは、「日雇い労働者の生活や権利を保障してこなかった連中の責任を追及し、責任を取らせるための闘い、われわれ自身の行動が決定的に重要になっています。安倍の攻撃を打ち破る労働者の団結を作り上げることが決定的に重要です。本日5月1日、東京・山日労は、山谷メーデー集会を開催し、寄せ場春闘集中行動の総括の上にたち、今後の闘いの課題を確認し、闘う決意を打ち固めます。集会の第Ⅱ部では、辺野古新基地阻止のドキュメント映画を上映し、沖縄の労働者の闘いを共有していきます。メーデーの集会・行動を成功させ、『反戦・反失業』の闘いを爆発させていきましょう」というメッセージ。
「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」からは、「われわれ労働者を必要な時だけ使い、用済みになれば追い出していく国や大阪行政の攻撃を許すわけにはいきません。釜ヶ崎からの労働者の排除を許さず、『反戦・仕事よこせ』の闘いを今後も粘り強く続けていく決意です。安倍極右政府の「労働法制」改悪を粉砕し、強まる本格的戦争突撃を粉砕する闘いに起ち上がります。今国会で成立が狙われている『共謀罪』=『テロ等準備罪』新設を絶対に阻止しよう。本日のメーデーを共に闘おう」というメッセージが届けられた。
沖縄・首里日雇労働組合のメッセージは、「名護新基地建設阻止の闘いも、いよいよ決戦局面を迎えています。政府―沖縄防衛局は、4月25日、沖縄労働者人民の反対を押し切り、護岸建設工事に踏み込みました。事実上の埋め立て着工です。でも、諦める者は、誰一人としていません。辺野古現地では、怒りと闘志をたぎらせた激しい阻止闘争がうちぬかれています。沖日労も、連日のように現地に決起し、ともに闘っています。最底辺の労働者人民の起ち上がりこそ、安倍政府の朝鮮反革命戦争とファシズムへの突撃を打ち破る真の力です。名護新基地建設阻止の闘いの帰趨も、そこにかかっていると確信しています」と訴えた。
参加者は、大きな拍手をもって、全国の寄せ場での日雇いメーデーと連帯して闘う決意をうち固めた。
福岡市役所へ戦闘的デモ
基調提起に続いて、福日労からの決意表明だ。「おれたち福日労が闘い続けてきた反戦と仕事よこせの闘いが、今ほど重要な時はありません。朝鮮半島における戦争が、今にもはじめられようとしています。おれたちを使い捨てにして、野宿を押しつける連中が、戦争を起こすのです。原発や戦争のための仕事でこき使われたあげく、野垂れ死にを強いられることを拒否しよう。福岡市にまともな仕事を要求しよう。戦争と失業を押しつけることしかできない、資本家とその政府に反対しよう」。
集会の最後に、福岡市に対する要求書案が参加者に提案される。要求書案は、「福岡市は、『外国人観光客の呼び込み』やさまざまなイベント…そこには『アベノミクス』の『グローバル創業・雇用創出特区』も組み込まれている。しかし、そこにある視点は、企業の利潤が第一とする考えであり、それらで働く者の立場は抜け落ちていると言わざるをえない。その現場で日雇い労働者が雇われることもない。われわれは、かつての市に対する『請願』においても、そうした事業において、日雇い・野宿の労働者、とりわけ高齢の労働者ができる『街の美化』などのさまざまな軽作業を要求してきた。草とり・そうじ・ドブさらいなどなど」「福岡市はただちに、国や県に協力・連携を働きかけ、日雇い・野宿の労働者のための公的就労対策事業に着手すべきである」として、第一に、「東京都が山谷で行なっている『特別就労事業』のような、公的就労対策事業を行なうこと」、第二に、「その際、日雇い・野宿の労働者の生活実態に合わせて、①築港を集合場所とすること、②輪番制の実施、③賃金の日払い、④作業現場への送り迎え、⑤日雇い雇用保険の適用と被保険者手帳の作成を行なうこと」、第三に、「以上の内容について、早急にわれわれとの話し合いの場を設けること」を求めるという内容だ。要求書は、全体の圧倒的な拍手で確認された。
シュプレヒコールで集会をしめくくり、いよいよデモに出発だ。デモ隊は、天神の街にくり出す。道行く人々が注目する。「福岡市は日雇い・野宿の労働者に仕事を出せ」の大横断幕が沿道の人々の目を引く。デモ隊は、市役所前で立ち止まり、「動きなさい。動きなさい」という警官隊の声を尻目に、思う存分シュプレヒコールを叩きつける。
天神中央公園に移動した部隊は、全体で闘いの貫徹を確認し、「団結ガンバロー」を行なってデモを終えた。その後、福岡市役所へと移動し、市に対する要求書を叩きつけた。自立支援課の担当は新たに替わったが、対応はこれまで通りのやり方を踏襲している。「受け取りました」とひと言発し、そそくさと庁舎へと逃げ込むだけである。市長室の秘書も同様の対応だ。福日労は、メーデーでうち固めた団結をもって、さらなる「反戦・反失業」の闘いに撃って出ていく決意だ。