7・23東京で第7回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会

道徳の教科化、「教育勅語」礼賛などの戦争にむけた攻撃に対決することを確認した集会(7月23日)
道徳の教科化、「教育勅語」礼賛などの戦争にむけた攻撃に対決することを確認した集会(7月23日)

7・23

東京で第七回「『日の丸・君が代』問題等全国学習・交流集会」

 

 7月23日、東京・日比谷図書文化会館で、「第7回『日の丸・君が代』問題等全国学習・交流集会」が130人の教育労働者や支援の労働者の結集で開催され、集会後、銀座・数寄屋橋デモが闘われた。

 午前10時半から開始された集会は、主催の「『日の丸・君が代』問題等全国学習・交流集会実行委員会」代表の永井栄俊氏が開会あいさつに起ち、「安倍政権の暴走が続き、教育現場では、『改革』の名の下に、道徳の教科化や『教育勅語』礼賛、オリンピック開催を利用して国家主義を子どもに刷り込む洗脳教育が強行されている。これを許さず闘う側の陣形を集会の成功をかちとり、実現していこう」と呼びかけた。

 続いて、琉球大学名誉教授の高島伸欣氏が「蘇る『教育勅語』体制と『日の丸・君が代』強制を迎え撃つ~洗脳教育を教材にし、無力化と反転攻勢の力量育成をめざす~」という演題の講演を行なった。高島氏は、「日本の学校教育は、『洗脳教育』という新たな段階に入っている。われわれは、これに対して如何に闘うが問われている」という問題提起から入り、「『主権者教育』として、『請願権』理念の学習と『請願権』行使体験」の実践学習を強調し、「中学・高校生自身に批判力の定着、底力の育成を実現し、若者を再びアジアへの加害者にさせないために、今日の集会の議論を深めよう」と結んだ。

 

〈報告Ⅰ 東京の闘い〉

 

 高島氏の講演の後、全国の闘いの報告に入り、はじめに〈報告Ⅰ 東京の闘い〉が行なわれた。報告は、①「実教出版教科書・五輪読本問題に関し、違法、不当な東京都教育委員会を訴える会(都教委を訴える会)」の増田都子氏、②「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会(被処分者の会)」から今年の卒業式「君が代」不起立を闘って3回目の処分を発令された大野氏、③「被処分者の会」の四次訴訟原告、④「再雇用拒否撤回第2次訴訟原告団」から泉健二氏、⑤「河原井さん・根津さんらの『君が代』解雇をさせない会」の根津公子氏、⑥「ビラまき交流実行委員会」から渡部秀清氏の六人が行なった。

 

〈報告Ⅱ 大阪の闘い〉

 

 午後1時20分から午後の部が開始され、ジョニーHさんのミニライブ演奏につづき、新潟から参加した星野氏の報告と大阪の闘いの報告が行なわれた。

 星野氏は、「新潟では、教職員管理体制の強化が、校務用パソコンの新型への更新と『情報漏洩防止のためのセキュリティ強化』と称した株式会社・Skyの『SKYSEA』導入というかたちで進んでいる。『SKYSEA』には、『覗き見システム』の設定があり、校長・教頭などの管理職のパソコンから職員用のパソコン画面を表示できるようになっている」「県教委は『あくまでセキュリティ確認用であり、不用意に職員のパソコンを閲覧するものであってはならない』と説明しているが、実際にはどうなっているか不明だ」という報告を行なった。

 大阪の闘いの報告は、①「『日の丸・君が代』強制反対大阪ネットワーク」の山田氏、②「『君が代』不起立減給処分取消裁判」を闘い、最高裁の不当な上告棄却判決を受けた奥野泰孝氏、③「戒告処分取消訴訟」原告の井前弘幸氏、④「『君が代』不起立解雇撤回訴訟原告団」の野村尚氏、⑤「大阪市『君が代』不起立戒告処分」当該・「グループZAZA」の松田幹雄氏、⑥再任用拒否撤回を闘う梅原聡氏、⑦「グループZAZA」の山田肇氏、⑧「子どもたちに渡すな! あぶない教科書大阪の会」の伊賀氏の8人が行なった。

 

〈報告Ⅲ 首都圏、全国、諸団体から〉

 

 続いて、集会は、首都圏、全国、諸団体からの報告に移った。首都圏からは、「再雇用拒否撤回第3次訴訟」原告の永井みどり氏が、4月26日の東京高裁による不当な控訴棄却判決を弾劾し、最高裁に上告して闘う決意を明らかにした。「千葉県高教組『日の丸・君が代』対策委員会」の石井氏は、「千葉高教組の組織率が10パーセントを切り、〝『日の丸』や『君が代』・沖縄・原発など平和の闘いには手が回らない〟〝賃金など労働条件の交渉に集中すべき〟などといった意見も出ているが、しぶとく、生徒・教職員の『思想良心の自由』を守る組合を維持し声をあげ続けたい」という決意を表明した。神奈川の「個人情報保護条例を活かす会(神奈川)」は、「セキュリティ対策の名目で、県下のすべての県立学校の生徒12万人分の個人情報が県教委の管理下にある。『戦争できる国』にむけた動きが加速している今日、国を挙げての情報の行政権力への一極集中化は、共通番号制度(マイナンバー制度)の動きとも併せて要注意だ」と問題提起した。埼玉からは、10件の名目で県教委から処分を受けている高校教師からの報告が行なわれた。全国の報告は、①宮城の小学校教員・土屋聡氏、②「静岡県学校労働者組合」、③「憲法の理念を生かし、子どもと教育を守る愛知の会」の小野政美氏、④兵庫の「『日の丸・君が代』の強制に反対する阪神連絡会」の石川豊子氏、⑤福岡の木田氏、⑥佐賀の松永氏が行なった。様々な現場からの報告は、①幼児教育をめぐって「各種学校専修学校関係労働組合連絡協議会(各専労協)」の村上理恵子氏、②小金井市議の片山氏、③医師の山田氏、④「教育現場に浸透する自衛隊の状況」として永井栄俊氏、⑤「ひのきみ全国ネット」の小野政美氏が行なった。

 

 集会の最後には、翌日取り組まれる対文部科学省交渉の呼びかけが行なわれ、集会アピール(案)が、全体の拍手で確認され、参加者は、「戦争のシンボル『日の丸・君が代』の強制反対! 若者を再び戦場におくるな!」と書いた横断幕を先頭にして、日比谷公園から銀座・数寄屋橋までのデモを貫徹し、この日の行動を終えていった。

                           〈東京・山谷日雇労働組合〉