6・16トヨタ東京本社前行動

解決交渉の席を蹴り、解雇を居直るトヨタ資本を弾劾する労働者(6月16日)
解決交渉の席を蹴り、解雇を居直るトヨタ資本を弾劾する労働者(6月16日)

6・16

フィリピントヨタ労組二三七人の解雇を撤回せよ トヨタ東京本社門前闘争 

 

歩道をうめつくして本社前集会

 

 6月16日、午後5時半から東京・飯田橋のトヨタ東京本社前で、東京総行動(主催:「けんり総行動実行委員会」)の一環として、フィリピントヨタによる、フィリピントヨタ労組破壊のための237人の解雇攻撃に対して、トヨタ資本に責任を取らせ、解決を迫る行動が取り組まれた。小雨が降りしきる中での行動となった。

 最初に、「けんり総行動実行委員会」から主催者あいさつが行なわれる。

 「韓国サンケン労組の闘いは、一人の労働者の首切りも許さず、国境を越えて団結した多くの仲間とともに闘い、勝利した素晴らしい闘いだ。トヨタ争議も同じ性格をもっている。日本の企業がアジアの現地労働者を切り捨てていく。過去においても、現在においても悪辣な行為を行なっている。フィリピントヨタ労働者と連帯し、労働者の国際連帯の中で日本の企業体質を変えていく。団結の力で争議解決をかちとっていこう」。

  司会から、6月14日の名古屋でのトヨタ株主総会に対し、名古屋の仲間が、フィリピントヨタの不当な組合潰しを明らかにし、「トヨタは解決を図れ」と情宣行動を闘ったことが報告される。

 

「フィリピントヨタ労組を支援する会」が現地報告

 

 フィリピントヨタ労組を受け入れ、共に闘ってきた全造船関東地協からの発言に続き、「フィリピントヨタ労組を支援する会」事務局長の田中氏がフィリピン現地の報告を行なう。「フィリピントヨタ労組は、日本での闘いに注目し、これが励ましになっている。フィリピン労働雇用省は、解決交渉のテーブルを設けた。解雇されて初めて労使双方が同席した。労働雇用省は、トヨタ現地法人の鈴木社長に出席を求めたが、トヨタは弁護士を出してきた。弁護士は、『フィリピン最高裁で、〝解雇は有効である〟という判決が確定し、決着がついている』とし、『ILO勧告はフィリピン政府に対して出されており、トヨタに出されたものではない』とした。ILOを代表して解決交渉に同席したILOフィリピン駐在所は、『とんでもないことだ、本部に報告する』と怒った。話し合いを継続しようという労働雇用省に対して、トヨタの弁護士は、『これ以上話し合ってもムダだ』と蹴ってきた。解決交渉を暗礁に乗り上げさせる許しがたい態度だ。トヨタは、『企業の社会的責任綱領』をうちだしている。ここでは、国内法だけでなく国際的な法律に基づいて、労働者の人権を尊重するとしているが、『団結権』の問題は、その国の法律によってのみ尊重するとしている。ここに問題がある。フィリピントヨタ労組は、粘り強く闘いぬいている。私たちも支援を強めて闘おう」。

 

韓国サンケン労組が報告

 

 トヨタ東京本社に対して、中締めのシュプレヒコールが叩きつけられる。「トヨタは、組合潰しをやめろ!」「237人の解雇を撤回しろ!」「解雇を撤回して職場に戻せ!」「トヨタは、団交を行なえ!」「トヨタは、ILO勧告に従え!」「トヨタは、争議を解決しろ!」「われわれは、最後まで闘うぞ!」「世界のなかまと共に闘うぞ!」「東京総行動は闘うぞ!」「解決するまで闘うぞ!」。

 連帯あいさつとしてJAL争議団が、「共謀罪」成立を許さず闘うと発言し、最後に、争議に勝利した韓国サンケン労組の報告が行なわれる。

 「サンケン労組解雇者復職闘争委員会共同代表」のキム・ウニョン氏がマイクをとる。「日本の『支える会』、支援の仲間の力で、会社の生産部門廃止という方針を覆すことができた。不当な整理解雇を撤回させ、元の工場に復帰することができた」。「トヨタ本社に問いたい。今回の事態がフィリピンでなく、アメリカで働くトヨタの労働者に解雇があったら、はたして、フィリピントヨタ労働者に対したような、ひどい解雇をしただろうか。強い者にはペコペコし、弱いと見るや踏みにじるだけ踏みにじる、トヨタの悪辣なやり方を許さず、弾劾する」。「フィリピントヨタ労組の皆さん、支援の皆さん。労働者は一つだ。国際連帯の力で闘おう。必ず勝利をもぎとろう」。

 トヨタ本社行動後の6時半からの「サンケン労組解雇撤回闘争勝利報告会」の案内が行なわれ、最後に、「団結ガンバロー」を唱和し、この日の行動を終えた。

 

日帝足下の労働組合運動の責務としてフィリピントヨタ争議の勝利を

 

 2001年、フィリピントヨタ労働者が組合を結成して起ち上がったことに対し、トヨタは、「組合を潰さないなら資本を引き揚げる」と当時のアヨロ政権を恫喝し、この下で大量解雇を強行した(2001年233人、2010年に4人)。以降、フィリピントヨタ労組は、粘り強い闘いを展開してきた。2001年3月には、700人の組合員が2週間にわたってストライキに突入し、生産をストップさせる闘いを実現している。こうした闘いがフィリピン政府を突き動かし、現ドゥテルテ政権は、未解決争議の早期解決を重要政策課題の一つにあげ、今年1月には、労働雇用省の斡旋により、現地で解決に向けた交渉が始まった。しかし、「解雇は、団結権、団交権の侵害である」「解雇は不当ゆえ、職場復帰または適正な金銭補償を」という国際労働機関(ILO)勧告にすら敵意を持つフィリピントヨタは、「ILO勧告はフィリピン政府に対して出されたもので、トヨタに対して出されてはいない」と居直り、自らの非を認めることなく、「要求額と提示額の開きが大きすぎて妥結不能」と一方的に交渉を打ち切ったのである。

 トヨタ資本は、2001年、アヨロ政権時に〝フィリピン政府さえ握っていればどうにでもなる〟と帝国主義国企業の傲慢さを満開にして、フィリピントヨタで働く労働者の生活と権利を踏みにじり、大量解雇、労組潰しに手を染めた。フィリピントヨタ労組の闘いに連帯する闘いは、帝国主義足下の労働組合運動にとって国際連帯の真価が問われる闘いだ。トヨタの居直り、交渉破壊を許さず、フィリピントヨタ労組の闘いに連帯して、勝利に向け闘いぬこう。帝国主義足下の労働組合運動の責務としてフィリピントヨタ争議の勝利をかちとろう。

                           〈東京都地域連合労働組合〉