第Ⅰ部 集会に参加できなかった仲間からの連帯メッセージ

 

元郵政労働者・全労交呼びかけ人 吉田明夫氏

 

 春闘勝利総決起集会に結集した皆さん。私は郵政職場を退職しましたが、全労交の闘いの前進をいつも願っています。

 「日本郵政グループ労働組合(JP労組)」は、昨年の定期大会で「新たな運動の創造」と称する中期運動方針を決定しました。その中では、経営側と同じ立場に立ち、「経営危機」を組合員に煽っています。「郵便物の減少傾向に歯止めがかからない」「郵便局窓口の来客数が減少している」「ゆうちょ銀行とかんぽ生命の資金運用が極めて困難になっている」「6000億円で買収したオーストラリアの物流会社が4000億円の損失を出している」などというものです。方針では、組合員に対して「もっと生産性を上げろ」「もっと利益を上げろ」「利益を上げるために政策提言をやり、会社に尽くせ」と尻を叩いています。

 昨年の春闘は、二年連続の「ベアゼロ」で妥結しています。「正社員」は「ベアゼロ・一時金4・0月」、「期間雇用社員」は「時給引上げゼロ・夏季一時金への特別加算最高5000円」で妥結しているのです。「格差是正」をめぐっても、「期間雇用社員の賃金改善」の要求を経営側から拒否されると、あっさり引っ込めています。「非正規雇用」労働者を「踏み台」にした本工主義路線を何としても変えなければなりません。現場の労働者は、「ベアゼロ」による実質的な賃下げで生活苦を強いられ、慢性的な要員不足で極限的な労働強化を強いられています。JP労組本部の「事業が困難な局面にあるのだから、文句を言うな」という「労使協調路線」を打ち破る現場労働者の闘いを作り上げねばなりません。

 安倍の改憲攻撃や原発再稼働攻撃に対して、JP労組本部は、「平和維持の手法(外交防衛政策)に対する見解やエネルギー政策には、様々な考え方を持つ組合員がいる」「大衆組織たる労働組合の組織運営からも、一つの意見にまとめあげていくことは困難」なぞと言い、容認する姿勢を示しています。

 「労使協調路線」で組合員を生産性向上運動に狩り立て、改憲攻撃を容認するJP労組本部を突破して闘う郵政労働運動の建設を、何としても実現しなければなりません。私もやれることはやりぬきたいと思っています。以上、連帯のメッセージとします。

 

生協労働者・全労交呼びかけ人 菊地健太郎氏

 

 2018年春闘総決起集会に参加された労働者の皆さん、おつかれさまです。不断の闘いに敬意を表します。

 毎回言っていることですが、「環太平洋パートナーシップ協定」(TPP)は、生協業界に大きな影響を与えます。米トランプは、TPPを離脱しましたが、「北米自由貿易協定」(NAFTA)の見直しでカナダ・メキシコと米国が有利になるような個別交渉を行なっています。米国は個別の「自由貿易協定」(FTA)に切り替え、高い関税をかけ保護主義に走っています。アメリカの通商交渉には、引き続き注視する必要があります。

 生協の労働現場は、人手不足で休みが取れない、残業が多くて三六協定も守れない状況です。最大手の生協労働者のアンケート結果では、二〇代の「正規職員」の6割以上が「展望もなく、辞めたい」と答えるという結果が出ています。また、委託の労働者は、六〇時間の「みなし労働制」で、残業が六〇時間を超えないと残業手当が出ない制度になっています。このような劣悪な労働条件で、辞める人が後を絶ちません。

 安倍政府が掲げている「働き方改革」の「裁量労働制」、「高度プロフェショナル制度」は、労働者の資本への隷属を強める以外の何ものでもありません。安倍は、国会答弁で、資本に都合の良いデータを出し、「裁量労働制は、労働時間が減る結果になる」という、ウソの答弁をしました。また、国会での過労死の公聴会において、自民党の渡辺参院議員(居酒屋「わたみ」の創業者)が「週休7日が人間にとって幸せなのか」と発言し、批判を浴び、謝罪に追い込まれました。渡辺は、2008年に、経営している居酒屋チエーンで女性を過労自殺に追い込んでいます。そのような経営者に、「働き方」を云々する資格はあるのかと怒りを覚えます。

 憲法を改悪し、戦争協力のため労働者を過労死させ、富国強兵を強いる安倍政権を打倒し、すべての労働者が解放されるために、2018年春闘を共に闘いましょう。

 

機動隊の排除攻撃と対決して座り込みを闘う沖縄労働者人民
機動隊の排除攻撃と対決して座り込みを闘う沖縄労働者人民

沖縄・首里日雇労働組合

 

 春闘勝利総決起集会に結集されたすべての仲間の皆さんに、沖縄・首里日雇労働組合より、連帯のアピールを送ります。

 「沖縄の景気は拡大傾向」と言われていますが、「好調」なのは観光業だけで、今なお沖縄は、「最低賃金」、「完全失業率」、「非正規率」、「ワーキングプア率」、「貧困率」、「非正規率」のどれをとっても、「全国ワーストワン」の水準にあります。

 右翼の論客は、あたかも沖縄に「莫大な振興予算」が投じられてきたかのように言い、「優遇されているのだから基地に文句を言うな」と言うわけですが、沖縄に投じられた「振興予算」が「莫大」と言うほどの額でないのはもちろんのこと、その「振興予算」の約5割がゼネコンを通じて「本土」に還流されているというのが実態です。「基地で食っているのだから文句を言うな」という「沖縄ヘイト」もありますが、「県」民総所得に占める基地関連収入の割合は5・7パーセントにまで低下し、「基地依存型経済」はすでに完全に過去のものとなっています。

 しかしながら、「返還」後の日帝政府による従属化政策と基地による圧迫の結果、沖縄の産業構造はすっかり歪められて現在に至っています。製造業が極端に少なく、観光業と公共事業に偏った経済は、「本土還流型ザル経済」「移・輸入依存型経済」とも呼ばれるまでになりました。この中で多くの労働者人民が、低賃金、長時間労働、不安定雇用のもと、厳しい労働と生活を強いられています。日雇い労働者は、その最底辺で苦しんでいます。

 こうした状況を日雇い・野宿の労働者の団結した力で打破すべく、沖日労は、奮闘する決意です。「反戦・仕事よこせ」の闘いをいっそう強め、沖縄解放に向けて闘いぬきます。そのために3月18日には、那覇市内において、多くの日雇いの仲間たちの参加を得て、沖縄日雇い・春闘討論集会を開催しました。

 3月27日には、天皇・アキヒトが「最後の慰霊の旅」と称して、沖縄を蹂躙しようとしています。同化―皇民化政策の行きつく先は、戦争動員に他なりません。沖縄戦の再来を許さないために、沖日労は、天皇来沖をデモで迎え撃ちます。辺野古では、埋め立てに向けて、「K2護岸」、「K4護岸」の建設工事が激しく進められています。6月には、埋め立てのための本格的な土砂投入が強行されようとしています。これを阻止する闘いに、沖日労は全力で決起します。

 「働き方改革関連一括法」案を粉砕し、改憲を阻止し、安倍極右政府を打倒しよう。労働者階級の解放、沖縄解放に向け、沖縄―日本「本土」を貫く革命的共同を強化し、ともに闘いぬこう。