5・24「河原井・根津2009年『君が代』不起立処分撤回裁判」判決公判闘争

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「河原井・根津2009年『君が代』不起立処分撤回裁判」判決公判闘争

 

 524四日、東京地裁で、河原井さん・根津さんの2009年度卒業式での「君が代」不起立の闘いに対して都教委が下した「停職6ヵ月」処分の撤回と損害賠償を求める裁判の判決公判闘争が闘われた。

 午後1時10分からの判決言い渡しを前に、公判廷に隣接する控え室には多くの支援者がつめかけている。当日の「2009年河原井・根津停職処分(2009年処分)」をめぐった判決の前に確定している「2007年河原井・根津停職処分(2007年処分)」の判決(2015年5月・東京高裁・須藤裁判長)は、河原井さんの停職3ヵ月、根津さんの停職6ヵ月を取り消し、損害賠償を命じ、都教委もそれを受け入れている。しかし、「2008年処分」に対する判決(2017年5月)は、河原井さんの停職6ヵ月は取り消したものの、根津さんの停職6ヵ月については、根津さんが「OBJECTION HINOMARU KIMIGAYO」というトレーナーを着ていたことを問題にし、「学校の規律や秩序を乱す行為をあえて選択して実行したもの」と言い放ち、停職6ヵ月処分を認め、二人の損害賠償請求を棄却している。そして、都教委は、「2009年処分」でも、「10・23通達」をもって、「君が代」不起立を闘う教育労働者を処分することで屈服させるために、「君が代」斉唱時に起立を命じる職務命令をあくまで正当と主張してきた。「2009年処分」をめぐる判決も、「2008年処分」判決を踏襲することが予想され、控え室に集まった2人の当該と支援者は、東京地裁(民事19部・春名裁判長)が、都教委の不当な主張を認めず、「2009年処分」の撤回と損害賠償を命じるように迫るため、傍聴席を埋め尽くした。

 開廷直後に判決主文を読み上げた裁判長・春名は、「河原井の処分(停職6ヵ月)は取り消し、その他の請求は棄却する」と言い放った。根津さんの処分(停職6ヵ月)は認め、2人の損害賠償請求は認めないという、不当判決だ。

 この判決に対して、傍聴席からは一斉に「不当判決だ」という怒りの声が巻き起こった。即座に、「不当判決」の旗が地裁正門に掲げられ、地裁判決を許さないシュプレヒコールが叩きつけられた。

 午後2時半から弁護士会館で行なわれた報告集会では、弁護士からの判決批判と、当該2人の不当判決に対する怒りと控訴審闘争を闘う決意が表明された。弁護士は、「今回の判決は、根津さんのトレーナー着用を取り上げていないが、原告の2009年卒業式での当該行為よりも、過去の判決にさかのぼっている。過去の行為を二重に処分した判決だ」「判決は、われわれの主張を聞きたくないという裁判所の姿勢が露骨に出ている」「『2008年処分』取り消しの控訴審に勝利し、2009年処分取消しをかちとる」と、判決を批判し、闘う決意を明らかにした。

 根津さんは、「不当な判決にことばも出ない。わたしの行なった行為ではなく、人格を裁いている。直ちに控訴する」と、控訴審闘争を闘う決意を明らかにした。河原井さんは、「『2007年処分』を否定した須藤判決は、どこにいったのかと思う。『君が代』の強制以来、教育現場はものが言えなくなった。戦争は教室から始まっている。『2008年処分』の控訴審は、一回で結審せず、7月に証人尋問が入った。秋に予想される判決で勝利をかちとりたい」と、闘う決意を表明した。報告集会では、結集した全員が不当判決を許さず控訴審闘争を闘うことを決意し、当日の行動を終えていった。

                          〈東京・山谷日雇労働組合〉