6・16
玄海原発4号機再稼働阻止現地闘争
福岡・築港日雇労働組合
6月16日、九州電力・玄海原発四号機(佐賀県・玄海町)の再稼働が強行された。安倍政府と九州電力によるこの許し難い攻撃に対して、福岡・築港日雇労働組合(福日労)をはじめとした再稼働阻止実行委員会に結集する労働者は、当日、怒りの現地攻防に起ち上がった。
6月16日午前8時45分、実行委員会の部隊は、玄海原発正門近くの駐車場に登場する。横断幕が掲げられ、福日労の組合旗が翻る。
九州電力は、再稼働阻止を闘う労働者人民によって正門が制圧されることを恐れ、正門に向かう道路沿いに大量の社員やガードマンを配置し、正門まで行かせない体制を取っている。さらに、佐賀県警は、九州電力に呼応して、正門に至る全ての道路で検問体制をとっている。しかし、この弾圧体制にひるむことなく、駐車場には、九州一円をはじめ、全国から反原発を闘う仲間が結集した。
午前9時、地元で原発反対を闘う「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会(裁判の会)」などが呼びかけた現地集会が開始される。主催団体からは、「3月の玄海原発3号機の再稼働の後には蒸気漏れの事故が起こった。4号機の一次系冷却材のポンプに異常が見つかり、再稼働がここまで遅れる事態となっている。私たちは九州電力の安全に対する甘さ、認識の甘さを追及すると共に、再稼働阻止の声を上げていこう」という呼びかけと共に、「再稼働反対」「九州電力を許すな」「全原発を廃炉にしよう」と全体でシュプレヒコールを叩きつける。シュプレヒコールの後には、結集した反原発を闘う各団体からの発言が行なわれる。唐津市から来た仲間は、「福島第一原発の処理費用は約8兆円かかるとされる。東京電力が赤字になれば、われわれが払っている税金で補填されるという。こんなことが許されるわけがない」「原発再稼働に対しわれわれは黙っていられない。原発廃止まで声をあげていく」と原発再稼働への怒りを露わにした。地元で原発再稼働を闘う「裁判の会」は、「玄海原発3、4号機に相次いで故障が発生した。こんな状態での再稼働なんてありえない。しかし、九州電力は、原発の『安全神話』に未だにすがりつき、玄海原発4号機の再稼働を行なおうとしている」「九州電力は、『安全に運転する』と言いながら、玄海原発3号機が事故を起こしても原発を止めようともしない」「実際に原発事故が起これば、地元住民が逃げることは出来ない」「私たちは、営利至上主義の九州電力を許さない」と呼びかける。その他、大分県で毎日、九州電力支社前で再稼働反対を訴えている仲間をはじめ、長崎県、鹿児島県など、現地に駆け付けた団体から「再稼働反対、全原発を廃止するまで闘おう」という訴えや呼びかけが続いた。
午前11時を過ぎ、九州電力が玄海原発4号機の制御棒を引き抜いて原子炉を起動させ、再稼働を強行したとの一報が伝わるや、参加者全員の怒りが沸点に達し、怒りのシュプレヒコールが叩きつけられる。再稼働阻止の現地闘争を闘いぬいた仲間たちは、すべての原発の廃止まで闘いぬくことを決意し、当日の行動を終えていった。
九州電力は、6月16日午前11時、玄海原発4号機の再稼働を強行した。6月20日に発電を始め、7月19日に営業運転を行なっている。2011年12月に定期点検のために停止させて以来、6年半ぶりの再稼働だ。「福島第一原発事故」後に作られた「新規制基準」のもとで稼働した原発は、全国で5原発9基となる。九州電力は、2015年に川内原発1、2号機(鹿児島県・川内市)、今年3月には玄海原発3号機を稼働させ、今回の玄海4号機の再稼働を強行するなど、矢継ぎ早に再稼働を強行してきた。玄海原発から約130キロの位置にある阿蘇山(熊本県)の火砕流による被害の可能性について、火山の専門家から、「巨大噴火の予測は困難」と指摘されているにもかかわらず、九州電力社長・瓜生道明は「破局的噴火の予兆は捉えられる」と否定し、再稼働を強引に進めたのだ。
現地実力闘争の爆発で、全国原発の再稼働を阻止しよう。大間原発をはじめとする原発の新(増)設を阻止しよう。すべての原発の廃止をかちとろう。六ヶ所再処理工場の本格操業阻止、「核燃料サイクル計画」を粉砕しよう。
日帝・安倍政府による改憲―核武装攻撃と対決し、反原発・反核燃闘争の大爆発をかちとろう。