乾坤一擲(けんこんいってき)
10月24日から臨時国会が始まる。安倍は、「臨時国会で憲法審査会に自民党改憲案を提出」、「2019年通常国会で改憲を発議」、「同年7月参院選前に国民投票を実施」というシナリオを描いていると言われている。▼しかし、安倍の周辺からは「臨時国会の憲法審で議論がまとまらない場合は、自民党改憲案を独自に国会に提出してしまえばいい」という「憲法審すっ飛ばし」の強硬策まで飛び出している。沖縄知事選で4割もの造反が発生して動揺する公明党を無視し、安倍が強硬策に出る可能性は高い。▼安倍が提出を企んでいる4項目のうちの「自衛隊」の明記は、2014年に憲法解釈の変更を閣議決定して「集団的自衛権の行使」を合憲とし、「安保法制関連法」の制定に突き進んだ手法とはまったく違う。憲法の中に「自衛隊」を書き込むことで、「戦争放棄」「武力不保持」「交戦権否定」を謳った憲法九条を死文化してしまい、戦時国家体制形成の総仕上げとするものだ。▼「緊急事態条項の創設」は、別名「国家大権」と呼ばれ、ヒトラーが戦争とファシズムに突撃する際に、「政府権限の強化」、「国民の権利制限」を強行するために駆使したものだ。▼臨時国会は、まさに「改憲国会」になろうとしている。だが、翼賛化を深める野党は、「立憲的改憲」なぞと称し、初めから安倍の改憲攻撃に屈服し、翼賛労働運動は、「UAゼンセン」が9月の定期大会で、「改憲推進」の執行部見解を打ち出している。「改憲国会粉砕」「翼賛国会粉砕」を正面に掲げた巨大な労組部隊の闘いで安倍のもくろみを粉砕しよう。(木村)