1・24
「10・23通達」撤回!「卒業式での職務命令を発出するな」!都教委要請行動
1月24日、午後4時から「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会(被処分者の会)」が呼びかけて、東京都教育委員会への要請行動が闘われた。この要請行動は、2018年度卒業式を間近に控え、2月1日から都立高校で校長による「日の丸・君が代」の掲揚・斉唱を強制する職務命令の発出を阻止するために取り組まれた。
午後3時半、都庁第二庁舎の1階ロビーに集合した労働者は、都教委に対する要請・追及の進め方を確認した後、10階の会議室に向かった。都教委からは、教育庁総務部教育情報課長・中西と教育情報課校長担当・利根川が対応に出てきた。「東京『君が代』裁判第四次訴訟原告団が要請行動の進行役に当たり、最初に「被処分者の会」からの要請書が読み上げられる。要請の内容は、「『10・23通達』を撤回すること」「『10・23通達』に基づく校長の職務命令を発出しないこと」「生徒の起立を強制する2006年『3・13通達』を撤回すること」など、12項目に及んでいる。続いて、「五者卒業式・入学式対策本部」(「被処分者の会」、「再雇用拒否撤回を求める第二次原告団」、「東京『再雇用拒否』第三次訴訟原告団」、「『日の丸・君が代』強制反対・予防訴訟をひきつぐ会」、「『君が代』強制解雇裁判をひきつぐ会」で構成)による要請と質問が突きつけられた。要請の内容は、「最高裁判決により処分が取り消された被処分者に対して、謝罪し再処分を行なわないこと」「思想転向を強制する『再発防止研修』を行なわないこと」「『10・23通達』の国連自由権規約との適合性を検討すること」などの5項目であり、質問は、「『10・23通達』は、『教育基本法』が言う『教育に対する不当な支配』ではないという理由を示せ」「学習指導要領のどの規定を根拠に『入学式、卒業式等を適正に実施した』と考えているのか」「国連自由権規約委員会が2017年11月に発表した『日本政府審査』の『問題点リスト』で、『10・23通達』をとりあげている。都教委は、内部で検討した結果を示せ」というものだ。
要請と質問の提起に続き、「被処分者の会」事務局長・近藤氏が、補足説明に立つ。近藤氏は、「『10・23通達』から16年目になる。今では『10・23通達』を発出した時の教育委員が一人もいないにも関わらず、われわれの要請を『検討しない』という都教委の姿勢は許せない」「裁判で確定した処分取消の総数は、74件・64人に上っている。裁判で違法とされたことを都民に知らせることも、当該に謝罪もしない。こんなことは、全国でも例がないことだ」「最高裁判決を出した裁判官は、『今後、いたずらに処分を繰り返すのは容認されない。話し合うべきだ』と言っている。しかし、都教委は、話し合いを拒否している」と追及した。
そして、「五者卒業式・入学式対策本部」の青木氏が質問に対する回答を求める。青木氏の「教育課程は、どこが作るものと考えているのか」という追及に対して、教育情報課長・中西は、「学校が作るものです」と答えざるをえない。しかし、「実際には、都教委が作り、学校現場はそれに従うしかないという状況になっているではないか」という追及には、何も答えることができない。その後の中西の回答は、「関係者に伝える」「要請に対して担当部局が出席しないことに違和感はない」「国連自由権規約委員会は、日本政府に対して言っているから、都教委では検討していない」という「窓口対応」を繰り返した。
この「要請は伝える」というだけの教育情報課の対応に対して、要請行動に参加した労働者からは、「担当部局が出席しないのは、全国でも東京都だけだ。他県の人が驚いている」「定時制の問題の時は担当部局が出席している。なぜ、『日の丸・君が代』では担当部局が出席しないのか」といった当然の追及が行なわれた。
1時間にわたる要請と追及が行なわれた後、2団体の要請に対して2月13日までに回答することを最後に突きつけ、当日の要請行動は終了し、参加者は、「2・9総決起集会」を成功させ、卒・入学式での「日の丸」「君が代」強制を許さない闘いをやりぬくことを確認していった。
〈東京・山谷日雇労働組合〉