12・28―1・3
「越年・越冬突入集会」を皮切りに、「夜回り・人民パトロール」を闘いぬく
12・28「越年・越冬突入集会」を開催
釜ヶ崎では、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会(釜ヶ崎労働者の会)」が、12月28日、西成市民館で「越年・越冬突入集会」を開催し、その日の夜から1月3日までの「夜回り・人民パトロール」を貫徹した。
12月28日、結集時刻の11時半ごろから会場に多くの仲間が集まる。まずは、カレーで腹ごしらえをし、正午より集会を開始する。全体でシュプレヒコールをあげる。「釜ヶ崎越年・越冬闘争を闘うぞ!」、「一人の野垂れ死にも許さんぞ!」、「生きて奴らにやり返すぞ!」、「野宿の仲間への襲撃を絶対に許さんぞ!」、「センター縮小・移転攻撃粉砕!」、「寄せ場解体攻撃と対決するぞ!」、「2019年寄せ場春闘を闘うぞ!」。
全国各寄せ場からの連帯メッセージ
次に、全国寄せ場からの連帯メッセージが、司会より読み上げられる。東京・山谷日雇労働組合からは、「『黙って野垂れ死ぬな!』『生きてやり返そう!』という越年・越冬闘争のスローガンは、労働者が団結して闘っていくことの原点を示している」「労働組合は、労働者に貧困と戦争を強制する攻撃を粉砕するためにある」「仕事がないために、厳しい寒さの中、命の危機に直面する労働者を守りぬき、資本家や安倍を打倒する労働者の団結を作り上げよう」。福岡・築港日雇労働組合からは、「2019年は、安倍の改憲攻撃を打ち砕く正念場の年になる。この闘いに絶対に勝たねばならない」「『一人の野垂れ死にも許さない』という越年・越冬闘争の成功を通して、安倍に打ち勝つ団結を作り上げよう」。沖縄・首里日雇労働組合からは、「安倍政府―沖縄防衛局は、12月14日、キャンプ・シュワブ辺野古側への埋め立て土砂の投入に踏み込んだ」「『沖縄の民意』を踏みにじった『何でもあり』の違法・無法な暴挙は、沖縄労働者人民の闘いの炎に油をそそぐだけの結果となった」「沖縄に蔓延する低賃金・長時間労働・不安定雇用も、米軍基地の存在・強化と根は一つ」「これを打ち破る闘いの先頭に、日雇い労働運動がたっていかねばならない」。参加者から大きな拍手が送られた。
「釜ヶ崎労働者の会」が基調提起
「釜ヶ崎労働者の会」から集会の基調が提起される。「『センター縮小・移転』攻撃は、寄せ場の解体攻撃である、これと対決していこう」「ますます強まるアブレ―野垂れ死に攻撃に対しては、大阪府や大阪市に対して『仕事出し』を要求する闘いを闘ってきた」「釜ヶ崎の諸勢力が春闘を放棄する中、唯一、『釜ヶ崎労働者の会』が業者に対して『春闘要求書』提出行動を闘ってきた」「狭山―部落解放闘争や『障害者』解放闘争を闘い、あらゆる差別を許さない闘いに決起してきた」「安保粉砕闘争をはじめ反戦闘争や反原発闘争に取り組んできた」「釜ヶ崎での越年・越冬闘争の取り組みとして12月28日から1月3日までの間、温かいおにぎりを作り、カイロ・風邪薬・軍手・防寒着などをもって、『夜回り・人民パトロール』を行なう」。資金集めのための街頭カンパ活動への協力も訴えた。そして、基調提起の最後に、越年・越冬闘争のスローガンが参加者全体の拍手で確認された。
続いて、映画・「山谷(やま)―やられたらやりかえせ」が上映された。この映画は、山谷の労働者が天皇主義右翼ファシスト・国粋会金町一家と体を張って闘う攻防などを描いたものだ。映画は、「佐藤満夫監督と当時の山谷争議団の中心メンバー・山岡強一氏が金町一家に虐殺された」「以来、山谷労働者は、報復を貫徹し、金町一家を解体する闘いを闘いぬいてきた」「仲間を殺されて、報復しない組織が敵に勝つことはない。このことを肝に銘じて闘わねばならない」「安倍政府の戦争突撃の中で跳梁する天皇主義右翼ファシストを絶対に許してはならない」と提起する。
冬は、資本からみて利用価値の無くなった労働者を路上で殺していく時期である。そんなことを絶対に許してはならない。司会より「緊張感を持って一人の野垂れ死にも許さない闘いをやろう」と夜回り・人民パトロールへの参加が呼びかけられ、「団結ガンバロー」で集会は終了した。
12・28―1・3「夜回り・人民パトロール」を闘いぬく
釜ヶ崎では、ドヤ(簡易宿泊所)にも泊まれずアオカン(野宿)せざるをえない厳しい失業状況が続いている。大阪市は、越年対策事業として「臨時宿泊所」を開設しており、釜ヶ崎地域内のシェルターとケアセンター(三徳寮)が越年期「臨時宿泊所」となっている。しかし、センター周辺には今年も約60人もの労働者が野宿をしている。「年末年始は、釜ヶ崎に行けばなんとかなる」と集まってくる労働者もいる。われわれは、センターが年末に閉まる12月28日から、人民パトロールを開始した。街頭カンパ活動で配布したビラをみて連日、衣類などのカンパ物資が「釜ヶ崎労働者の会」に届けられた。人パト隊は、ビラ、おにぎり、カイロ、軍手、防寒着、風邪薬などをもって回っていく。まずセンター周辺で野宿している労働者のもとを回る。段ボールや布団を用意して野宿している労働者もいれば、何の用意もなく体一つカバン一つで寝ている労働者もいる。カイロやおにぎりを渡すと「ありがとう」「助かる」という声が返ってくる。第2弾の人パト隊は、山王商店街のアーケードや通天閣周辺、恵美須町駅周辺などで遅い時間に野宿をしている労働者の所を回った。ここでも温かいおにぎりに「助かった」という声が返ってきた。「共に生きてやりかえそう」とビラを渡し、体調確認をし、「夜回り・人民パトロール」を貫徹していった。
2009年以降、釜ヶ崎では日雇い・野宿労働者の生活保護受給の急増で、「臨時宿泊所」入所者数が大幅に減少した。しかし、今年も、約100人もの労働者が釜ヶ崎周辺で野宿を強いられている。越冬期間中、われわれは、多くの仲間と7日間にわたっておにぎり作りを行ない、「一人の野垂れ死にも許さない」と越年・越冬闘争の「夜回り・人民パトロール」を貫徹した。仲間から「寒い時期は、週1回でも夜回りをやっていこう」と提案がでている。越年・越冬闘争で培った団結をさらに強化し、2019年も「反戦・仕事よこせ」の闘いを全国の仲間と共に闘いぬく。