全国寄せ場で越年・越冬
12・28―1・4
「黙って野垂れ死ぬな!」「生きてやりかえそう!」越年・越冬闘争をやりぬく
東京・山谷日雇労働組合
「野垂れ死に攻撃許さん」の決意のもと、山谷労働者が越冬実に結集
2018―2019年山谷越年・越冬闘争は、寄せ場労働運動の原点を指し示す「黙って野垂れ死ぬな!」「生きてやり返そう!」を合言葉に、玉姫公園を実力占拠して闘われた。12月28日から1月4日までの越年・越冬闘争では、野宿で年を越さねばならない労働者を玉姫公園に迎え入れ、炊き出し、人民パトロール、衣類配布など、凍死・餓死の危機に直面する労働者を防衛する取り組みとともに、ワッショイ・デモが浅草警察の機動隊の阻止線を押しまくって闘われ、最終日の1月4日には、寄せ場労働者に対する野垂れ死に攻撃に加担する東京都山谷対策係への追及行動、厚生労働省との団体交渉が闘われた。
山谷では、業者や手配師による路上求人がほとんどなくなり、「城北労働・福祉センター」(センター)や玉姫職安で一日数人の民間求人があるかないかの状況になっている。また、民間求人では、「年金、健康保険への加入」「携帯電話の所持」などを条件にして雇用する業者が増え、山谷労働者の就労機会が減少しており、多くの労働者は、東京都が実施している「特別就労対策事業(通称・輪番)」に2週間に1回程度就労することが唯一の収入源になっている。センターは、仕事紹介を受けるためのカードの発行を申請する労働者に対して、様々な難癖をつけてカードの発行を拒否し、仕事紹介からの排除を繰り返している。また、「2020年東京オリンピック・パラリンピック」開催を契機にしたドヤ街の再開発が目論まれ、徐々にドヤの廃業―マンションなどへの建て替えが進んでいる。多くの野宿労働者が夜露をしのいできた「イロハ通り商店街」では、アーケードが撤去され、雨天の日には浅草や上野駅まで移動して野宿せざるを得ない状況になっている。
このように、寄せ場・山谷を解体していくような動きが強まることを許さず、東京・山谷日雇労働組合(東京・山日労)は、東京都や厚生労働省に対する「仕事よこせ」の団体交渉を闘っている。2018年には、テレビ局が「輪番」の仕事をめぐって、「山谷の労働者が甘い汁を吸っている」「税金のムダ使いだ」なぞと、「輪番」の廃止を煽るような番組を放映した。
このような資本と行政による野垂れ死に攻撃によって、野宿で年を越さねばならない労働者が生み出され、玉姫公園にたどり着いている。東京・山日労は、野垂れ死に攻撃をはね返し、団結してやりかえすべく、越年・越冬闘争に取り組んだ。東京・山日労が呼びかけた越冬闘争実行委員会(越冬実)には、「反戦・反失業」を基調にした寄せ場の闘い、「働き方改革関連一括法」成立阻止、「入管法」改悪阻止の連続的な国会前行動などの2018年の闘いを共に闘いぬいた山谷労働者、支援の労働者が多数結集した。また、寄せ場・山谷からあらゆる領域の闘いとの結合を追求し、寄せ場・日雇い労働運動への支援を訴えてきた東京・山日労には、圧倒的な共感とともに資金カンパ、食材カンパ、衣類カンパが寄せられた。東京・山日労と越冬実のメンバーは、この共感と期待に応えるべく、「仲間の命は俺たちの団結の力で守りぬく」「俺たちにアブレ―野垂れ死にを強制する奴らにやりかえす団結を作り上げる」という決意のもと、7泊8日の拠点越冬を、警視庁公安や浅草警察、右翼ファシストの一切の敵対を封殺し、やりぬいた。
山谷越年・越冬闘争の準備は、2000食を超える炊き出しを作り、玉姫公園を闘う労働者の拠点にするための資金作りの街頭カンパ活動から開始された。山谷での求人が激減し、働いて資金を作ることが困難な中、越冬実の仲間は、山谷に近接する駅頭や繁華街に連日繰り出し、「野宿で年を越さねばならない労働者が生きて年を越し、冬を越してゆくための炊き出しなどの資金カンパ、米などの食材カンパ、冬物衣類などのカンパを呼びかけます」と通行する労働者人民に訴えた。この山谷労働者による訴えには多くの反応が返ってきた。「アベノミクス」による賃下げ、「非正規雇用」の拡大、安倍政府による生活保護費引き下げなどでますます生活苦が強まる中、「働く者の命を守る」という労働組合の原点を貫く山谷労働者への共感をもっての「正規雇用」労働者からのカンパ、山谷労働者を身近な存在と感じるようになった「非正規雇用」の労働者からのカンパ、かつては山谷で働き、年金暮らしになった高齢者からの「若い頃は世話になったから」という一言を添えたカンパが例年以上に寄せられた。
闘いの資金作りと同時に、越冬闘争で必要になる資材、機材の調達も開始される。玉姫公園を拠点とした8日間の越年・越冬闘争をやりぬくには、風雨に耐える大屋根を作るための建設資材、炊き出しのカマドで使い労働者が暖を取るための薪、大量の布団、2000食の炊き出しに使う米、野菜、肉などの食材の確保が必要だ。東京・山日労と越冬実は、これらの必要な資材・機材の確保のために山谷労働者の闘いに共感を持ってくれる団体などに協力要請を発し、12月28日からの越年・越冬闘争への突入に備えた。
7泊8日の越年・越冬闘争は、冷たい水に手を浸す炊事、24時間昼夜を問わない防衛体制、短時間で玉姫公園を闘う労働者の拠点にするための各種の設営作業が必要となる。それを担うのが越冬実だ。越冬実のメンバーは、東京・山日労が呼びかける実行委員会の会議に参加し、炊事班、設営班、防衛班、情宣班などの任務に率先して立候補し、越冬闘争を支える決意を打ち固めた。
12月28日、越年・越冬闘争に突入
山谷越年・越冬闘争の初日は、12月28日午前6時、年内最後の「輪番」に就労する労働者が集まる玉姫職安での越年・越冬闘争の開始を知らせる情宣活動から始まった。
玉姫職安での情宣活動を終え、東京・山日労と越冬実のメンバーがセンター前に結集し、組合旗を先頭にして「山谷通り」から、玉姫公園に向けて移動する。玉姫公園には時間がかかる大屋根などの設営を夜までに済ませるために2日前から作業に入っていた労働者が待機している。勢ぞろいした労働者は、朝の食事と打ち合わせを済ませ、全員が真新しい手袋を着け、それぞれの準備作業に取り掛かる。設営班は、事前に搬入した資材を使って玉姫公園を蓋う50平方メートル近くの大屋根を完成させるための作業に入る。長年の現場作業を経験した労働者が道具を持参して〝飛び入り〟で作業に参加してくれる。その傍らではトラックに満載された炊事道具、発電機、照明機材などが次々と玉姫公園に搬入される。また、炊事などで使う薪となる建築廃材が到着し、電動丸のこで切断に当たる労働者を先頭にして所定の置き場に搬入する。その後も布団を積んだ車両などが次々と到着し、玉姫公園は、短時間のうちに越年・越冬闘争の拠点として打ち固められる。初日の炊き出しは、配食開始が夕方6時からだ。この時間に間に合わせるために、炊事班は、急ピッチで調理テーブル、カマドを設置し、さっそく食材の切り込みに取り掛かる。
午後6時から、いよいよ越年・越冬闘争初日の炊き出しが始まる。
午後7時からは、越年・越冬闘争突入集会だ。同じように寄せ場で越年・越冬闘争を闘う「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」、福岡・築港日雇労働組合、沖縄・首里日雇労働組合からの連帯メッセージが紹介される。「釜ヶ崎労働者の会」は、「われわれは、『「一人の野垂れ死にも許すな!』『「生きてヤツラ(資本・行政)にやり返そう!』を合言葉に、12月28日から1月3日まで、カイロ、おにぎりなどをもって、夜回り・人民パトロールをおこないます」「越年・越冬闘争をやりぬき、寄せ場解体攻撃である『センター縮小・移転』攻撃を許さず、『反戦・反失業』を闘う労働者の団結を打ち固め、2019年の闘いに打って出る決意です」。福日労からは、「俺たち福日労も、12月31日から1月2日まで、須崎公園での『福岡日雇い越年・越冬闘争』を取り組みます」「改憲を目指す右翼組織・『日本会議』に安倍と共に所属する市長・高島による労働者の排除、資本家の利益追求のための政策を許さず、『働いて生きて行きたい』という労働者の思いを実現するために『仕事寄こせ』を闘います」「九州を戦争に向けた出撃基地にすることを許さず、反戦の闘いに決起します」。沖日労からは、「沖縄に蔓延する低賃金・長時間労働・不安定雇用も、米軍基地の存在・強化と根は一つです。差別に貫かれた日帝の統合支配がもたらしたものです。これを打ち破る闘いの先頭に、日雇い労働運動が起っていかねばなりません。沖日労は、12月31日から新年1月2日まで、越年・越冬闘争に取り組みます。そこで培った団結の力で、新基地建設阻止を始めとする新たな年の反戦・反失業闘争にうって出ていく決意です」。続いて、東京・山日労が越年・越冬闘争の基調を提起する。「山谷では民間求人が激減し、多くの山谷労働者は、東京都のアリバイ的な特別就労対策事業によって生き延びることを強制される『アブレ―野垂れ死に』の状況が続いている。そのうえに、東京都の特別就労対策事業に対して、『税金の無駄使いだ』なぞと言い、廃止を煽動する動きも起きている」「また、『非正規雇用』で働き、首切りに遭い、新たに山谷に辿り着く労働者も続いている。さらに、国土交通省と元請けゼネコンによる『社会保険(年金・健康保険)に未加入の労働者は建設現場に入場させない』という攻撃によって、仕事が続けられない労働者が宿舎から追い出され、山谷にたどり着く動きが続いている」「山谷越年・越冬闘争は、2000万人の『非正規雇用』労働者や、長時間労働の末の過労によって『自殺』などに追い込まれている『正規雇用』労働者、外国人労働者も含めて、資本に使い捨てにされる労働者と結びついて『やり返す闘い』を実現することを目指す」「安倍政府は、朝鮮半島を戦場にする戦争への突撃を強め、改憲攻撃を激化させている。『反戦・反失業』を闘う山谷労働者の圧倒的な部隊を作り上げねばならない。国家権力、金町一家の弾圧・敵対を粉砕し、玉姫公園を闘う労働者の拠点として越年・越冬闘争を闘いぬき、2019年の闘いに打って出よう」。東京・山日労と越冬実は越年・越冬闘争の意義を再確認し、8日間の闘いの決意を固めた。
突入集会が終了した後は、娯楽映画が上映され、午後9時からは、山谷の「イロハ通り商店街」などで野宿する労働者の安否を確認し、食料やカイロなどを配布する人民パトロールが取り組まれた。
「名護新基地建設阻止」「改悪『入管法』粉砕」を闘う決意を打ち固める
2日目の12月29日からは、越冬実のの情宣ビラである『黙って野垂れ死ぬな』が発行が始まり、早朝開く玉姫公園沿いの「朝市」に来た労働者や、東京都が行なう越年対策の入寮受付の会場などで配られ、「玉姫越冬」への合流が呼びかけられた。28には準備作業の関係でできなかったワッショイ・デモも29日から開始された。全員が闘いの決意を込めて真っ白な軍手を着け、スクラムを組み、東京・山日労の組合旗を先頭にしてワッショイ・デモに繰り出す。夕食後の企画では、「沖縄・辺野古での新基地建設を許すな」と題して、12月14日から強行された沖縄・辺野古での土砂投入―本格埋め立て阻止闘争のドキュメント映像が上映された。
3日目の12月30日の夜には、「『入管法』改悪を許すな」と題して、「外国人技能実習制度」の実態を告発したドキュメント映像が上映された。30日のワッショイ・デモは、初日のデモに比べると格段に強固な隊列になった。デモ隊全員が大きな声を出し、足取りも揃ってくる。阻止線を張る機動隊の表情も緊張したものになり、デモ隊の力強さに、機動隊員に対する機動隊の指揮官の怒声が飛ぶようになってきた。
2018年の大晦日を迎えた玉姫公園では、恒例となった「東京大衆歌謡楽団」の無料出演によるコンサートが行なわれた。「東京大衆歌謡楽団」は、「新年の乾杯に使ってください」と大量の酒を携えて玉姫公園に到着し、「ああ、上野駅」「東京ラプソディ」など、山谷労働者が口ずさんできた歌を1時間近く熱唱した。また、「東京大衆歌謡楽団」が縁となって山谷に足を運ぶようになった人々からは、山谷労働者が団結して年を越す闘いである越年・越冬闘争に資金カンパが寄せられた。夕方のワッショイ・デモの隊列は、さらに力強くなってきている。
越年・越冬闘争の折り返しとなる2019年1月1日、玉姫公園では午前11時から「団結餅つき」が開催された。労働者がかわるがわる杵を手にし、8キロのモチ米が短時間でつきあげられ、大根おろし、きなこ、あんこ等と一緒にふるまわれた。夜は、2019年の闘いにむけた総決起集会だ。午後7時から大屋根の下に全員が集合し、東京・山日労からの「2019年も『反戦・反失業』を基調にした闘いを闘いぬこう。安倍政府を打ち倒そう。1・4対都庁行動、厚生労働省団交から闘いを始め、1・13日雇い労働者全国総決起集会とデモで、闘う山谷労働者の隊列を登場させよう」という呼びかけを全体で確認した。続いて、越冬実の炊事、設営、防衛の各班が決意表明を行なった。全体の闘う決意を確認しあった後は「団結乾杯」だ。全員が「東京大衆歌謡楽団」から差入れられた缶ビールや酒、ジュースが入ったコップをかかげ、2019年を闘う決意を込めて「乾杯」の声を上げた。夕方のワッショイ・デモで阻止線を押し返すまでに強くなったデモを経験した労働者からは、「明日こそは阻止線を越えるぞ」という声も出てくる。
1・4東京都山谷対策係を追及し、厚生労働省との団体交渉を闘う
1月2日には、越年・越冬闘争で玉姫公園に泊まるようになった労働者も参加して、街頭カンパ活動が取り組まれた。初めて参加した労働者からは、「自分が駅前でビラを配ったり、『カンパをお願いします』と声を出すなんて想像もしていなかったが、やってみて、反応も良かったし、成果もあって良かった。炊き出しの資金を自分たちで作ることは大事な活動だと思った」という感想も出された。夕方のワッショイ・デモは、隊列の熱気もさらに高まった。その高まりの中で、夜の企画は、『山谷 やられたらやり返せ』が上映され、山谷の先輩たちが金町一家と対決して闘う姿に多くの労働者が見入った。
1月3日の午前中には、年末・年始を東京拘置所ですごす獄中の仲間への激励行動が取り組まれた。東京・山日労と越冬実は、宣伝カーで東京拘置所の外周を回り、マイクを使って失業や貧困が原因となって「被告」とされている労働者に対して「差入れ希望などの連絡を遠慮なく東京・山谷日雇労働組合にしてください」と呼びかけていった。午後からは、全国から寄せられた支援の衣類が配布された。長さが30メートルにも及ぶブルーシートに広げられた衣類の山から多くの労働者が冬物衣類を手にした。ワッショイ・デモの最終日となったこの日は、二重に張られた機動隊の阻止線を押し返すまでに強固なデモ隊列となり、参加した労働者からは、「デモ隊で機動隊を押し返すことができることがわかった。来年は、もっと大きな隊列にしよう」という感想が出された。
午後7時からは山谷越年・越冬闘争をしめくくる総括集会がかちとられた。東京・山日労、越冬実を担った炊事班・設営班・防衛班・人民パトロール班が発言し、最後に「団結ガンバロー」で総括集会を締めくくった。人民パトロール班からの報告では、越年・越冬闘争の前半では野宿する労働者がいったんは東京都の越年対策で用意したドヤなどに入り、少なかったが、後半にはドヤから出て、「イロハ通り商店街」で野宿する労働者が増えたという報告が行なわれた。
仕事始めとなる1月4日は、朝の炊き出しを15分早め、東京都山谷対策係と厚生労働省に対する闘いの準備が行なわれ、7時半には組合旗、ムシロ旗を先頭にした労働者が玉姫公園を出発した。
都庁近くに到着した山谷労働者の部隊は、警視庁公安の妨害を許さず都庁庁舎まで気迫に満ちたワッショイデモで進撃する。都庁前では、福祉保健局生活部の山谷対策係に対して追及の闘いを繰り広げる。「2週間に1回の『輪番』では生きて行けない。『輪番』の仕事を増やせ」「センターの『カード』発行拒否―仕事紹介からの締め出しをやめろ」「『東京オリンピック・パラリンピック』を口実にした野宿労働者の追い出しをやめろ」。どれも山谷労働者の「働いて生きて行きたい」という切実な要求であり、アブレ―野垂れ死に攻撃への怒りだ。これに対して、山谷対策係は、「5万1000人分の仕事は確保しています」という答えを繰り返し、「輪番」廃止を煽動するような動きに対しての追及に対しては、何も答えようとはしない。センターの「利用者カード発行拒否」についても、「センターの対応は適切と判断している」「皆さんの要望は関係部署に伝える」と判を押したような回答に終始した。30分にわたる弾劾―追及の闘いを終えた仲間たちは怒りに満ちたシュプレヒコールを都庁に叩きつけ、厚生労働省へと移動した。
厚生労働省の正門に到着した東京・山日労と越冬実は、「厚生労働省は失業している労働者に仕事を出せ」「日雇雇用保険制度つぶしを許さんぞ」「生活保護費の切り下げを許さんぞ」「『働き方改革』攻撃粉砕」とシュプレヒコールを叩きつけ、全員が団体交渉の会場に入った。厚労省との団体交渉は、玉姫職安が強行している日雇雇用保険手帳の取り上げ、国の責任による公的就労事業の実施、2019年度から施行される「働き方改革関連一括法」をめぐって闘われた。交渉では、玉姫職安で「アブレ金」を受給する労働者の数が、2015年の571人から2017年には74人に減っていることが明らかになった。また、これまでは「求職受付票」(段ボール手帳)であっても日雇雇用保険の印紙を2ヵ月で26枚貼っていれば、「アブレ金」を受給することができていたものが、厚生労働省の一方的な運用変更によって、現在では受給できなくなっていることが明らかになった。これに対して、労働者からは、「『不正受給』を口実にした『日雇雇用保険』つぶしじゃないか」という追及の声が上がった。さらに、新たに「日雇雇用保険手帳(白手帳)」を作る方法について、職安に掲示されていないことが追及され、厚生労働省内で検討して後日回答することを約束させた。公的就労事業の実施をめぐっては、戦後直後に実施されていた「失業対策事業」の評価をめぐって追及が行なわれたが、担当の需給調整課は、「過去の資料がないのでわからない」なぞといった回答に終始し、労働者からの弾劾の声がたたきつけられた。「働き方改革」をめぐっては、労働条件課の担当が「同一労働同一賃金が、日雇い労働者にも適用されるようになります」と答えたものの、「何がどう適用されるのか」については、まったく回答できず、3月の寄せ場春闘で行なう団体交渉で回答させることになった。1時間半にわたって交渉を闘いぬいた仲間たちは、「仕事よこせ」の闘いをさらに強めることを確認して厚生労働省を後にした。
8日間にわたる越年・越冬闘争をやりぬいた労働者は、「黙って野垂れ死ぬな!」「生きてやりかえそう!」という闘いを実践しぬいた自信を胸に、1・13日雇い労働者全国総決起集会の成功、2019年春闘勝利にむけた活動に入っている。玉姫公園で年を越した労働者は、新たな仕事探しや、生活保護の受給に向けて動き出し、東京・山日労が呼びかける「反戦・反失業」を基調にした闘いに結集している。