乾坤一擲(けんこんいってき)
1月22日、日本経団連が、2019年春闘に対する経営側の指針である「経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)」を発表した。今年の「経労委報告」は、サブタイトルで「働きがいの向上」と「イノベーションの創出」を強調している。▼今、日本経済は、「もはや日本を引っ張る技術がない状態」「他国の二次下請け、三次下請けとして食いつなぐ国なってしまう」という状況に陥っている。資本家たちは、これを突破するために、利潤率の高い産業を追い求めることを意味する「イノベーションの創造」を労使に号令し、「イノベーションの創造」のためには、「働きがいの向上」が必要だと言っている。▼しかし、資本主義的生産における労働は、疎外された労働でしかない。資本に利潤をもたらすために、「八時間労働制」を解体し、過労死するような労働強化を強制し、生活給の要素を持っていた年功賃金を解体して成果主義を強制し、女性や高齢者などを新たに労働現場に狩り出し搾取するために、「働きがい」なぞと言っているのだ。▼春闘の賃金相場を作ってきたトヨタ資本は、「ベースアップの議論はなくしていく方向が望ましい」と言い、日本経団連会長・中西は、「生産性向上のための処遇体系にする」と言い放っている。春闘の最大の課題であるベースアップを潰し、「同一労働同一賃金」を盾にした「正社員」の賃下げと「非正規雇用」拡大、「入管法」改悪をもっての外国人労働者への〝奴隷労働〟の強制を狙っているのだ。3・21春闘勝利総決起集会を成功させ、このもくろみを打ち砕く春闘の爆発をかちとろう。 (木村)