12・31~1・2
2018―2019年越年闘争を盛大にやりぬく
沖縄・首里日雇労働組合
越年闘争をやりぬく
12月31日から1月2日にかけて、沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)は、那覇市内の公園や商店街での炊き出しを中心に、越年闘争を闘いぬいた。
沖日労は、越年闘争をやりぬくにあたり、首里の寄せ場にとどまらず、市内の公園などで、参加と協力の呼びかけを大胆に行なった。越年闘争への資金・物資の支援を呼びかける街頭カンパ活動にも、活発に取り組んだ。首里の寄せ場の現状、沖縄で拡大する深刻な貧困の問題を提起し、野宿生活を送る日雇い労働者、さらに「非正規雇用」労働の末に首を切られ、住む場所すら奪われて野宿生活を送る労働者への支援を熱烈に呼びかけた。
「沖縄の景気は好調」とされるが、「好景気」で潤うのは日本「本土」の大資本と結託した、観光業や建設業などのほんの一握りのブルジョアジーに過ぎず、喧伝される「雇用拡大」についても、実際には「非正規雇用」だけが増大している状態である。2018年7月発表の、総務省による「2017年就業構造基本調査」でも、沖縄の「非正規雇用」労働者が過去最多の25万3800人となり、全労働者に占める割合も43・1パーセントと、他の「都道府県」に比しても突出していることが明らかになっている。沖縄経済は、失業率、貧困率、最低賃金のどれをとっても、「全国ワースト・ワン」というのが実態だ。基地依存型経済が長く続いた沖縄は、今も安保と基地によって産業構造が歪められ、雇用の場が限られており、加えて、「アベノミクス」という名の産業再編合理化が、「貧困率」を更に高める結果となっている。沖縄の労働者たちは、餓死や病死の瀬戸際にまで追い込まれる過酷な状況を強いられており、とりわけ日雇い労働者には、低賃金と失業―野垂れ死にを強いる切り捨て攻撃が横行している。首里の寄せ場にも、求人に来る業者はほとんどないのが実情であり、だからこそ「仕事よこせ」の闘いがますます重要になっている。
そんな中での越年闘争ではあったが、沖日労の呼びかけに応え、苦しい生活の中から身銭を切っての、心のこもった資金・物資の支援が寄せられ、とりわけ衣類や毛布のカンパが多く寄せられた。労働者・市民の野宿生活を送る同胞への思いを感じる。われわれ沖日労こそが、そういった同胞に寄り添い、餓死・病死―野垂れ死にの攻撃をはね返し、「生きてやり返す」闘いの先頭に起っていかねばならない。そういった熱い思いで、3日間の越年闘争に突入したのである。
炊き出し、人パトをやりぬく
炊き出しは、昼は与儀公園、夜は平和通りで行なった。
12月31日昼の与儀公園では、配食が開始されると、居並ぶ労働者たちに、弁当、お茶、年越しそばなどが次々に配られ、アッという間に配布が終了した。衣類や毛布類も、大量のカンパのおかげで豊富に配ることができた。取り組みは初日から大盛況だった。
1月1日の昼は、炊き出しの前に、ハンドマイクで集会の呼びかけを行なう。集まった仲間たちを前に、沖日労が基調を提起する。「沖日労は、この2019年、『公的就労対策事業』の沖縄での実施、『日雇い雇用保険制度』の適用拡大などを求めて、沖縄『県』、那覇市、沖縄労働局への要求行動を、いっそう強めていく決意だ」「名護新基地建設阻止の闘いは、俺たちの最大の集中課題だ。沖日労こそが、現地闘争の先頭に起とう」「『反戦』と『仕事よこせ』の闘いを組合活動の二本柱にすえて、2019年を闘いぬいていこう。日雇い・野宿の労働者は、沖日労のもとに団結して闘おう!」と提起する。
続いて、東京・山谷、大阪・釜ヶ崎、福岡・築港の全国寄せ場からの連帯メッセージを読み上げる。熱い連帯のメッセージに、集会参加者から共感の拍手が沸き起こる。最後に、参加者全体でシュプレヒコールをあげ、新年総決起集会を締めくくった。その後、元旦でもあり、弁当、お茶に加えて、みかん、酒も配られるなど、新鮮な年頭の配食となった。最終日の2日昼には、ジューシー(沖縄風炊き込みご飯)、お茶と漬物を配布した。3日間とも、用意した配食が、アッという間になくなるほどの盛況であった。
夜は、3日間、平和通りをパトロールし、野宿の労働者に、ジューシー、酒、ジュース、衣類、毛布などを配布した。
配食に並ぶ人数の増加傾向は、沖縄の高い「貧困率」を反映しているかのようだ。そして、沖日労に対する沖縄労働者人民の期待が、辺野古現地闘争などの、「反戦・仕事よこせ」の闘いを積み重ねる中で、着実に増大していることの反映でもある。われわれは、越年闘争を闘いぬいた地平に立って、2019年の激闘を全力で闘いぬく決意である。「反戦・仕事よこせ」の闘いをこれまで以上に推進し、名護新基地建設阻止の闘いへの日雇い・野宿の労働者の総決起を実現していく決意である。