第Ⅰ部 集会に参加できなかった仲間からの連帯メッセージ

 

元郵政労働者・全労交呼びかけ人 吉田 明夫氏

 

 春闘勝利総決起集会に結集したみなさん。私は郵政職場を退職しましたが、全労交の闘いの前進に向け、幾分かでも寄与したいと考えています。

 日本郵政グループ労働組合(JP労組)の昨年の春闘は、三年連続の「ベースアップゼロ」、年間30万円以上の住居手当の廃止、6万5000円の寒冷地・遠隔地手当の削減というものでした。

 委員長・増田は、「非正規雇用社員に年始手当や夏期・冬期休暇等で処遇改善が図られた」と強調しています。しかし、そのための原資は、「正社員」の手当剥奪・賃金切り下げ・労働条件の大改悪によって作ったものです。増田は、「正社員の処遇を引き下げて、同一労働同一賃金を実現しようとするわけではありません」と弁明しています。

 しかし、JP労組本部は、安倍の「働き方改革」の「手本」となるような運動をやっていこうとしています。2019年春闘でも「働き方改革に対応する春闘」を方針としています。それは、安倍の言う「同一労働同一賃金」にむけて、「訴訟リスク」を避けるための「合理的な格差」となるように、賃金、手当て、一時金などについて、日本郵政資本の提示する財源の範囲で調整するというものでしかありません。

 報道では、「正社員」の配偶者手当を最大10万円削減し、それで作った金で無期雇用の「非正規」社員に扶養手当を支給すると言われています。たとえ「非正規」社員に扶養手当が支給されても、もともと低い「非正規」社員の賃金は変わりません。これは、わずかな手当てを支給することで「同一労働同一賃金」を装うというペテンでしかありません。

 JP労組本部は、「厳しい事業環境におかれている状況から、全ての処遇を引き上げてバランスを図るのは困難と言わざるを得ない」なぞと、郵政資本を擁護しています。

 安倍が言う「同一労働同一賃金」は、「正規」―「非正規」のあいだに、「合理的な格差」をもうけることを認めるものであり、格差がなくなることはありません。

 現場では、人員を増やすことなく郵便・荷物の配達効率を高めて生産性を向上させようとしています。増える「ゆうパック」や大型化した定形外郵便に対応し、配達効率を高めるために、集配労働者は、長時間の配達労働が強制されています。

 

 「労使協調路線」で組合員を生産性向上に狩り立て、改憲攻撃を容認するJP労組本部を突破して闘う郵政労働運動の建設を何としても実現しなければなりません。私もやれることはやりぬきたいと思っています。以上、連帯のメッセージとします。

 

生協労働者・全労交呼びかけ人 菊地 健太郎氏

 

 2019年春闘総決起集会に参加された労働者の皆さん、おつかれさまです。不断の闘いに敬意を表します。

 安倍政府が、「アベノミクスで給料が上がった」とデッチ上げるために、「賃金統計」を操作していた事が発覚しています。地域生協の売上げの推移を見ても、「賃金が上がり、消費も増えた」なぞという実感はまったくありません。国内には、126の地域生協があり、2217万人が加入しています。2017年度の組合員一人当たりの月間利用料は1万797円で、2008年度と比べ、1814円減っています。

 地域生協の現状は、店舗は慢性的な赤字で、戸別配達で収益の穴埋めをしている状態です。しかし、ネットスーパーや、アマゾンなどのライバルとの競争が激しくなっています。ネットスーパーなどとの競争で劣勢になり、介護や給食、農業などの新たな事業に参入する地域生協もあります。配送の人手不足が深刻になり、配送業者の取り合いも起きています。配送の現場では、人手不足で休みが取れず、残業代も出ない長時間労働のために、辞める人が後を絶ちません。

 労働組合が母体となって出発した地域生協が、「非正規雇用」労働者の低賃金と劣悪な労働環境を強いている現状を、一日も早く改善しなければと孤軍奮闘しています。「正規」―「非正規」の結合を強めなければなりません。

 トランプの「アメリカ第一主義」にもとづく日米通商交渉は、地域生協にも大きく影響してきます。労働者が犠牲にされることを許さず、「過労死するまで働け」、「生産性を上げろ」、「成果主義賃金」への転換、戦争国家体制を作るための改憲といった攻撃を許さず、闘う決意です。ともに頑張りましょう。

 

沖縄・首里日雇労働組合

 

 2019年春闘の勝利に向けた全労交の皆さんの奮闘に、心より敬意を表します。わが沖日労も、沖縄の地で寄せ場春闘をやりぬき、反戦・反失業の闘いを大きく前進させていく決意です。

 名護市辺野古では、安倍政府―沖縄防衛局の手によって、新基地建設工事が激しく進められていますが、闘いを諦める者は誰もいません。「2・24県民投票」は、埋め立ての強行によって沖縄に広がっているのは、諦めではなく、激しい怒りと闘志であること、「新基地建設絶対反対」の意思は挫けるどころか、逆に強さと広がりを増していることを、満天下に示しました。「埋立区域②」への土砂投入が3月25日に迫る中で開催された「3・16県民大会」は、万余の大結集をもって、安倍政府のこの暴挙に全力で立ち向かうことを誓い合いました。

 「超軟弱地盤」や「活断層」の存在も明らかになり、新基地建設の根幹部分である大浦湾側の埋め立ての展望は、まったく失われています。とりわけ「超軟弱地盤」をめぐっては、政府―沖縄防衛局が地盤改良―埋め立てをやるには設計変更が避けられないのですが、設計変更の申請を「県」知事が承認する見込みはまったくありません。そればかりか、「超軟弱地盤」は、海面から深さ約90メートルの層(水深30メートルの海底から、厚さ60メートルにわたる地層)にまで及んでおり、そもそも技術的に不可能だという指摘も出されています。政府―沖縄防衛局の暴挙は、政治的にも技術的にも、完全に破綻しているのです。

 追いつめられているのは安倍政府の方です。工事は必ず止めることができます。政府―沖縄防衛局の問答無用の姿勢にも、沖縄労働者人民の意気は極めて高く、現地では連日にわたって熱い闘いが展開されています。勝利のカギは、現地集中と実力闘争に他なりません。沖日労は、現地攻防の先頭に起って闘いぬく決意です。新基地建設阻止、安倍政府打倒、沖縄解放、労働者階級の解放に向けて、ともに闘いぬいていきましょう。