「乾坤一擲」(けんこんいってき)
今、日本最大の寄せ場・釜ヶ崎で、50年間にわたって寄せ場労働運動の拠点となってきた「あいりん労働福祉センター(センター)」の機能を縮小する攻撃が、行政によってかけられている。築50年になる「センター」の耐震強度が不足しているという理由で、建て替えのための「センター」閉鎖―仮移転が3月末におこなわれた。▼「センター」は、入居していた「あいりん職安」での「アブレ金」の支給や「西成労働福祉センター」による仕事紹介だけが機能ではなかった。4000平方メートルの広さがある「センター」は、仕事にあぶれた労働者にとって「居場所」となり、段ボールをひいて体を休め、仮眠を取ることもできた。また、日雇いの仲間同士が業者の情報交換や交流をすることもできた。悪徳業者、暴力手配師に対しては、「センター」が闘う寄せ場・日雇い労働者の拠点となり、実力で追放してきた。▼「センター」の建て替え計画は、大阪市長であった橋下が「西成区を活性化させる」と称して打ち出した「西成特区構想」を推進する過程で出ている。「センター」は、JR、私鉄、地下鉄が乗り入れる「新今宮駅」前にあり、資本にとっては〝垂涎の地〟となっている。▼橋下は、「『センター』は現在地で建て替える」と発表している。しかし、仮移転による「センター機能の縮小」攻撃との闘い如何では、新たな「センター」が資本の利益追求の場に変質する危険性は高い。暴動に決起し、資本と行政による寄せ場・日雇い労働者使い捨て攻撃と対決してきた寄せ場労働運動の底力を爆発させ、「センター機能縮小」攻撃を粉砕しなければならない。(木村)