1・12日雇い労働者全国総決起集会・デモ

玉姫公園でかちとられた「日雇い労働者全国総決起集会」(1月12日、山谷)
玉姫公園でかちとられた「日雇い労働者全国総決起集会」(1月12日、山谷)

1・12 佐藤さん虐殺三五ヵ年 山岡さん虐殺三四ヵ年弾劾!金町一家解体!

日雇い労働者全国総決起集会・デモ

 

全国の寄せ場労働者が金町一家解体にむけ決起

 

 1月12日、越年・越冬闘争を貫徹した全国の寄せ場労働者と支援の労学が、東京・山谷に結集し、2020年の第一弾の闘いとして、佐藤さん・山岡さんを虐殺した天皇主義右翼ファシスト=国粋会金町一家の解体にむけた闘いに起ち上がった。

 1984年当時、国粋会金町一家による山谷支配の策動に反撃し、山谷の寄せ場・日雇い労働運動が大きく躍進しつつあった。そのことに危機感を抱いた金町一家は、1984年12月22日、山谷支援のためにドキュメンタリー映画を準備していた映画監督・佐藤満夫さんを西戸組・筒井栄一に刺殺させ、1986年1月13日、山谷争議団の中心的なメンバーだった山岡強一さんを金竜組・保科勉に射殺させた。これに対して山谷労働者は、金町一家に対する怒りを爆発させ、泪橋交差点から「山谷通り」一帯に怒りの炎を燃え上がらせた。以来、金町一家解体の闘いは、「仲間を殺されても、敵に報復できず、敵を解体することができない組織や運動には、決して未来はない」という確信の下、寄せ場労働運動の第一の課題として闘いぬかれてきた。

 東京・山谷日雇労働組合(東京・山日労)は、日雇全協・山谷争議団が金町一家解体の闘いを放棄する中で、毎週金曜日の対金町朝行動、そして2月11日には、「建国記念の日」粉砕の闘いと一体のものとして対金町朝行動を貫徹してきた。1月12日の闘いは、金町一家解体の闘いに責任を取ってきた東京・山日労によって、金町一家に対する報復を貫徹し、解体する闘いとして呼びかけられた。

 当日の闘いは、闘う労働者の大結集で山谷を制圧すべく、早朝6時からの組織化から始められた。東京・山日労の組合員は、「朝市」で賑わう玉姫公園沿いの道路に陣取り、闘いへの結集を呼びかけるビラまきを開始する。玉姫公園での越年・越冬闘争に結集した労働者や「朝市」に来た労働者が配布されたビラを読み、次々と「10時になったら、玉姫公園に行くよ」と応えてくる。情宣を終えて、組合員が東京・山日労が活動の拠点にしている「城北労働・福祉センター」(センター)の前に戻る頃には、大阪・釜ヶ崎や福岡・築港で越年・越冬闘争をやりぬいた日雇い労働者たちが次々と到着してくる。そして、それぞれの寄せ場での越年・越冬闘争の様子を語り合っている。

 午前8時半、センター前を埋め尽くした労働者たちが金町一家解体の決意を固め、「ワッショイ」の掛け声とともに玉姫公園へと進撃を開始する。警視庁―浅草警察は、「センターから玉姫公園までのデモは許可してない」「旗を下ろせ」「鉢巻を外せ」「〝ワッショイ〟をやめろ」なぞと難癖をつけ、「警告」のプラカードまで用意して闘う部隊への弾圧を狙ってくる。しかし、労働者の固い団結と闘いに向けた気迫に圧されて何も手出しはできない。結集した労働者は、「ワッショイ」の掛け声とともに「山谷通り」を横断し、玉姫公園に向かう。沿道からは「がんばれよ、俺も行くぞ」という声援が各所から起きる。山谷の主人公はドヤや商店の経営者ではなく、日雇い労働者だということを堂々たる「ワッショイ・デモ」で示した労働者たちは、すでに玉姫公園で待っていた労働者と合流し、ただちに集会準備に取り掛かる。集会場の正面には佐藤さん、山岡さんの遺影が設置され、横断幕を正面にして各寄せ場の組合旗、支援の労組の組合旗が横一列に並んだ。

 午前10時、司会から集会の開始が告げられる。司会に起った全国寄せ場交流会の仲間が、「安倍が改憲に突き進み、天皇の即位行事が強行され、右翼ファシストが活動を強め、労働者を戦争協力に狩り立てようとしている。これを打ち砕く闘いが今、決定的に重要になっている。寄せ場・日雇い労働者が、全国の5000万労働者の先頭に起って、金町一家解体を闘いぬいてきた地平をもって、これを打ち砕かねばならない。本日の集会とデモを戦闘的に闘いぬき、2020年の闘いの勝利に向け、闘いぬこう」と呼びかけ、集会開始に当たってのシュプレヒコールを全員であげる。続いて、佐藤さん、山岡さんの遺影に向って参加者一同が黙祷をささげる。

 

虐殺報復と金町一家解体を誓って総決起集会

 

 黙祷に続いて、この日の闘いに寄せられた連帯メッセージが司会から紹介される。沖縄・首里日雇労働組合は、「沖縄では、安倍政府の暴虐な仕打ちに、労働者人民の怒りが沸騰しています。名護新基地建設をめぐり、政府―沖縄防衛局は、辺野古側の埋め立てを強引に進めることで、『工事の進捗』をアピールし、『もう諦めろ』というメッセージを送り続けてきました。しかし、埋め立て土砂の投入から丸一年が経過した今でも、投入された土砂量は、計画全体のたった1・1パーセントにすぎないことが明らかになっています。この大幅な遅れを強制したものこそ、沖縄労働者人民の頑強・不屈の闘いに他なりません。わが沖日労も、辺野古現地、さらに琉球セメント安和桟橋(名護市)、本部港塩川地区(本部町)での闘いに決起してきました。日雇い・野宿の労働者が先頭に起って、安倍政府の暴政を打ち砕こう。集会の成功を心から願っています」。

 続いて、東京都地域連合労働組合、神奈川県地域連合労働組合、全国学生社会思想研究会連合からの連帯あいさつが行なわれた後、東京・山日労の委員長が闘いの基調を提起する。「対イラン反革命戦争、朝鮮反革命戦争突入の危機がますます切迫している。日帝軍=自衛隊が、イラン労働者人民の虐殺に手を染める時が急速に近づいている。労働者階級の国際連帯の責任を果たすために、日帝の対イラン反革命戦争への参戦を阻止する革命的反戦闘争の爆発をかちとらねばならない」「安倍は、『即位の礼』、『大嘗祭』を頂点とする一連の即位行事を「国家行事」として大々的に開催することで、労働者人民に天皇と国家への『祝賀』=忠誠を強制し、改憲に弾みをつけようとしている」「右翼ファシストは、『日本会議』が改憲にむけた『草の根運動』として『1000万人署名』を行ない、『在特会』の元会長・桜井が結成した『日本第一党』は沖縄・名護新基地建設の闘いへの敵対を繰り返し、ストライキを闘う『関西地区生コン支部』への敵対行動に手を染めている。桜井は、再び都知事選への立候補を宣言している。ファシスト勢力がファシズム大衆運動を作ろうとしている」「山谷―全国寄せ場は、天皇主義右翼、ヤクザの暴力に反撃し、労働者の闘いと団結を実力で防衛してきた拠点だ。天皇主義右翼ファシスト・国粋会金町一家との実力攻防を貫徹してきた寄せ場労働運動が、すべての労働者の先頭に起ってファシスト撃滅を闘い、ファシズム大衆運動を粉砕しよう」「俺たちの仲間である佐藤さん・山岡さんらの命が右翼ファシストによって奪われた。この痛苦な敗北を二度と繰り返してはならない」「大阪・釜ヶ崎での『西成特区構想』にもとづく寄せ場解体にむけた『センター機能縮小』攻撃や、『2020年東京オリンピック・パラリンピック』を見据えた東京・山谷の『再開発』による寄せ場解体攻撃を粉砕していこう」。

「虐殺に報復するぞ」「金町一家を解体するぞ」とコールを上げてデモを闘う部隊(1月12日、山谷)
「虐殺に報復するぞ」「金町一家を解体するぞ」とコールを上げてデモを闘う部隊(1月12日、山谷)

警視庁・浅草警察の弾圧を粉砕し、山谷を席巻するデモを貫徹

 

 集会の最後は、全国の寄せ場からの決意表明だ。まず東京・山日労の仲間は、「12月28日から1月6日まで、山谷越年・越冬闘争を貫徹しました。玉姫公園には、年末に失業し、野宿に追い込まれた労働者が、寝る場所と食べるものを求めてやってきました。われわれは、合流した労働者と共に、炊き出し、寝床作り、ワッショイデモ、人民パトロールを闘い、年明けの1月6日には、東京都山谷対策係と厚生労働省に対する追及行動、団体交渉を闘いました。そして、本日の闘いにも、越年・越冬闘争から合流した労働者が結集しています」「労働者を戦争に狩り立てるファシスト勢力の台頭を粉砕する闘いがますます重要になっています」「東京・山日労は、天皇主義右翼ファシスト=金町一家を解体する闘いを、山谷で責任を持って闘ってきた労働組合として、戦争動員の尖兵を解体しぬくまで闘うことを、ここに改めて明らかにします」。次に、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」が、「俺たちは、昨年12月28日に、越年・越冬突入集会を成功させ、その日の夜から1月5日まで、『西成労働福祉センター』周辺から、日本橋、阪堺線沿線を回り、毎日70近くの野宿する労働者に握り飯やカイロを手渡し、命を守る人民パトロールをやりぬきました」「われわれは、この2020年、釜ヶ崎を資本家の金儲けの場所に作りかえるための、寄せ場解体攻撃を許さず闘います。昨年3月にセンターが閉鎖され、労働者は、野宿で疲れた体を休める場所、雨をしのぐ場所、仲間との交流の場所を奪われるという『センター機能の縮小』攻撃に直面しています。これを粉砕するために闘います」「ストライキを闘ったことを『威力業務妨害』とされ、90人もの大量弾圧を受け、労働組合組織の壊滅攻撃を受けている『関西地区生コン支部』の弾圧粉砕の闘いを共に闘います」「天皇の即位や安倍の改憲攻撃を『力』にして、佐藤さん・山岡さんを虐殺した金町一家のような天皇主義右翼ファシストや、反共ファシストが蠢いています。ファシスト連中は、『関西地区生コン支部』への敵対行動にも手を染めています。労働組合運動が正面に『ファシスト撃滅』をかかげて闘うことが重要になっています」。最後に、福日労が、「12月31日から1月2日まで、須崎公園で越年・越冬をやりぬきました」「福日労は、越年・越冬闘争をやりぬいた団結の力で、2020年の『反戦・仕事よこせ』の闘いの前進をかちとる決意です」「福岡市では、高島市長が、安倍政府が進める資本家の金儲けを優先し、労働者を使い捨てにするやり方を率先してやっています。博多駅前や天神が再開発で不動産バブルが起きる一方、再開発によって、野宿する労働者の排除攻撃が強まっています」「福日労は、野宿する労働者を見下し、命を軽視する資本家や行政を許さず、『仕事よこせ』の闘いで、失業や野宿のない社会の実現にむけて闘います」「九州では、2月から3月にかけて、大分県の日出生台演習場で、沖縄の海兵隊が実弾演習をやろうとしています。福日労は、辺野古の基地建設を阻止する闘いと連帯し、演習阻止の闘いをやりぬきます。さらに、佐世保、築城などでの反戦の闘いをやりぬく決意です」「安倍政府は、『桜を見る会」や『カジノ誘致』に見られるように、腐りきっています」「改憲の動きや、天皇の即位によって、右翼ファシストが労働者に戦争協力を強制することを許さず、金町一家によって虐殺された佐藤さん・山岡さんの無念を我がものとして、闘いぬこうではありませんか」。

 集会を終え、全国の寄せ場労働者は、金町一家の事務所、金町一家とツルむ浅草警察―マンモス交番に肉迫するデモに出発する。金町一家事務所前では、「佐藤さん・山岡さん虐殺に報復するぞ!」「金町一家を解体するぞ!」と、怒りのシュプレヒコールを叩きつける。警視庁浅草警察は、金町一家を防衛するために金町一家事務所前に阻止線を張り、部隊に対して「立ち止まるな」「早く行け」と叫び、弾圧のために用意していた看板を掲げ、「警告だぞ」と繰り返し、弾圧策動を露わにする。「山谷通り」に左折した部隊は、マンモス交番前で「金町とツルむマンモス交番を許さんぞ!」「礒江さんとともに闘うぞ」とシュプレヒコールを叩きつける。そして、デモ終了地点の玉姫公園に近づくと、スクラムを組み直し、「ワッショイ」の掛け声とともに密集し、公園入口で規制線を張る機動隊に肉迫する戦闘的なデモをやりぬいた。その後、集会とデモをやりぬいた労働者たちは、清川区民館に場所を移して交流会を開いた。各寄せ場での越年・越冬闘争の報告を共有し、各寄せ場で春闘を取り組み、3・25寄せ場春闘集中行動を闘いぬき、2020年春闘を反戦・反合・政府打倒春闘として爆発させることを誓いあい、この日の闘いを締めくくった。

                           〈東京・山谷日雇労働組合〉