6・21トヨタ東京本社前闘争

不当解雇を居直るトヨタ資本に怒りのシュプレヒコール(6月21日、水道橋)
不当解雇を居直るトヨタ資本に怒りのシュプレヒコール(6月21日、水道橋)

6・21 フィリピントヨタ労組二三七人の解雇を撤回せよ

     トヨタ東京本社前闘争

 

 6月21日、午後3時45分から東京・文京区後楽のトヨタ東京本社前で、東京総行動(主催:「けんり総行動実行委員会)の一環として、フィリピン現地工場での大量不当解雇をもってする労組破壊に居直り、今なお、労組破壊攻撃を続けるトヨタ資本を徹底的に追及する行動が闘われた。

 トヨタ資本は、2001年、フィリピントヨタ労組を潰すために、組合員233人の大量解雇(後に4人の解雇)を強行した。トヨタ資本の責任を追及し、解雇を撤回させる闘いは、18年目を迎えている。

 フィリピン現地での闘い、日帝足下での東京本社、名古屋本社への闘いの中で、国際労働機関(ILO)からの、「組合つぶし、不当解雇を是正せよ」とのたび重なる勧告を受けながらも、トヨタ資本は、この勧告を無視し続けている。

 さらには、経済協力開発機構(OECD)の「多国籍企業行動指針」にも敵対している。「多国籍企業行動指針」では、〝大企業が海外で問題を引き起こし、労働者や利害関係者から責任を問われた場合、当該企業の本国にある本社(本件では、トヨタ自動車本社)は、「国が違う、別会社だ、法人格が違う、本社は関係ない」という言い逃れが許されず、誠実に問題解決に努めなければならない〟とされている。そして、労働者が多国籍企業の事業活動から不利益を被った場合、当該企業を相手取った申し立てをOECD加盟国の「ナショナル・コンタクト・ポイント(NCP)」(日本では、外務相、経済産業省、厚生労働省が担当)が受理し、解決の仲立ちをすることで「多国籍企業行動指針」の実施を保障することになっている。フィリピントヨタ労組と「フィリピントヨタ労組を支援する会」は、連名で、トヨタ自動車を「多国籍企業行動指針」違反で、日本NCPに申し立てをしているが、トヨタ資本は、これにも、誠意ある態度や行動をとっていない。被申立人であるトヨタ自動車とフィリピントヨタ社が、話し合いを拒否しているために、今年四月、日本NCPは、両社に対して「『多国籍企業行動指針』を尊重しつつ、活動を行なうことを求める」との勧告文を付記して打ち切り声明書を公表した。

 こうしたトヨタ資本の敵対、居直りを絶対に許さず、責任を追及し、解雇を撤回させる闘いとしてトヨタ東京本社前闘争が闘われた。

 午後3時45分から集会が開始され、主催者である東京全労協事務局長のあいさつに続いて、「フィリピントヨタ労組を支援する会」の山際氏が、フィリピントヨタ労組を受け入れ、支援してきた全造船関東地協の青木氏が発言する。そして、「フィリピントヨタ労組を支援する会」事務局の田中氏は、「ILOの勧告に加えて、OECDが『多国籍企業行動指針』を出している。今日の行動に合わせて行なわれた、トヨタ本社との面談でも、日本NCPの決定書のコピーを渡して、国内問題ではなく、国際問題だ、早く解決しろと訴えてきた。こうしたことに力を得て、フィリピン現地では、フィリピントヨタ労組が、政府の労働雇用省とともに、トヨタに解決を求める交渉をすすめている」と現状報告を行なった。

 連帯あいさつとして、JAL争議団、朝鮮人・中国人の「戦後補償問題」を闘う仲間の「徴用工問題」について日本政府の態度を批判する発言、神奈川シティユニオンからのフィリピン人労働者の歌と発言を受け、最後に「団結ガンバロー」で、この日のトヨタ東京本社前行動は、締めくくられた。

                           〈東京・山谷日雇労働組合〉