全国寄せ場で盛大に夏祭り 8・13~15 山谷夏祭りの大成功をかちとる

夕暮れから多くの労働者が夏祭りに訪れた(8月13日、玉姫公園)
夕暮れから多くの労働者が夏祭りに訪れた(8月13日、玉姫公園)

8・13~15 山谷夏祭りの大成功をかちとる 

 

       東京・山谷日雇労働組合

 

反戦・反核の連続闘争を闘い、7月31日に「実行委員会」を結成

 

 8月13日から15日までの3日間、山谷・玉姫公園を会場にして、東京・山谷日雇労働組合(東京・山日労)が呼びかけた「2019年山谷夏祭り実行委員会(実行委員会)」によって山谷夏祭りが開催された。

 東京・山日労は、安倍の改憲攻撃が激化する中、2019年前半の闘いを全力で闘いぬいてきた。寄せ場労働運動の原点的な闘いである「一人の野垂れ死にも許さない」を合言葉にした越年・越冬闘争を貫徹し、その直後には、天皇主義右翼ファシスト=国粋会金町一家の解体にむけた「日雇い労働者全国総決起集会」を全国に呼びかけ、山谷のドヤ街を制圧する戦闘的なデモを闘いぬいた。2019年春闘では、山谷で手配する業者への春闘要求を皮切りに、寄せ場・日雇い労働者の使い捨てによって利益を上げる元請けゼネコン追及行動、安倍の「働き方改革」攻撃を担う厚生労働省を追及する団体交渉、日帝資本の頂点に立つ日本経団連弾劾行動を闘いぬいた。5月1日には、天皇代替わりへの「祝賀」強制―反革命国民統合攻撃を粉砕する山谷デモを闘った。また、寄せ場からあらゆる産別労働者との階級的団結を強化するために、「君が代」不起立を闘う教育労働者の闘いへの支援行動を闘い、労働者の国際連帯を実践すべく、フィリピントヨタ労組の解雇撤回争議への支援行動を闘いぬき、名護新基地建設阻止にむけた「本土」での闘いに決起してきた。

 東京・山日労は、これらの2019年前半期の格闘と地平を多くの山谷労働者と共有し、さらに2019年後半の闘いが、秋の臨時国会での改憲をめぐった攻防として一挙に煮詰まろうとする中、闘う山谷労働者の部隊をさらに強化・拡大するためのステップとして山谷夏祭りに取り組むことを決定し、7月31日に「第1回実行委員会(結成会議)」を広く呼びかけた。「結成会議」の直前には、7月27日に宮城県王城寺原演習場での在沖米海兵隊による実弾砲撃―「本土」移転演習を阻止する現地闘争、7月28日には青森で大間原発建設阻止の現地闘争を連続で闘った。

 2019年前半期の闘いや、直近の王城寺原、大間での連続闘争を共に担いぬいた労働者が多数結集して「結成会議」は開催された。「結成会議」では、山谷夏祭りの基調を簡潔に表現したスローガンが確認され、その後、「本部」「炊事」「設営」などの班編成が行なわれ、長年の経験を蓄積している労働者を中心に、炊き出し、屋台、ステージ企画などの準備にむけた会議が行なわれていった。

 

猛暑の中で夏祭り準備が取り組まれる

 

 「実行委員会」の結成後も、山谷労働者は様々な闘いに決起した。8月5日には、名護新基地建設阻止にむけた対防衛省行動、8月9日には、狭山上告棄却42ヵ年糾弾闘争に決起した。

 一方、夏祭りの準備も急ピッチで進められた。まさに、山谷夏祭りの準備過程は、闘いつつ、さらに山谷労働者の団結を強め、闘いへの結集を拡大するための、日頃の活動とは違った苦労がある。だが、「実行委員会」に結集した山谷労働者は、短い準備期間やうだるような暑さをものともせず、すべての準備を整えていった。普段は狭いドヤで孤独を強いられている山谷労働者は、気兼ねなく仲間と交流できる玉姫公園での山谷夏祭りを楽しみにしている。「今年も13日からか?」「楽しみにしているよ」という多くの声を受けながら、「実行委員会」のメンバーは、「安倍を打ち倒す労働者の団結と闘いを作るんだ」という決意のもと、準備を進めていった。

 今年の山谷夏祭りでは、準備段階から3日間の本番が終わるまで、年々酷くなる猛暑に対する対策が検討され、実施された。今年は5月の連休明けの時期に、山谷労働者が就労する日比谷公園での「特別就労対策事業」の現場で、熱中症にかかり、死亡するという事態が発生している。このことを受け、「実行委員会」は何度も検討を重ね、準備作業の段階から「冷房テント」や工業用扇風機を設置することにした。そして、作業時間を短縮するために、山谷労働者の〝晴の舞台〟となるステージの設営を昨年から採用しているパレット積み上げ方式にした。プログラムも検討され、13日、14日は「前夜祭」として位置付けて開催時間の短縮や、屋台の営業日を最終日の一日だけとし、15日に夏祭り企画を集中させ、「実行委員会」の負担を軽減することにした。さらに、準備作業の段階からの疲労を軽減するために、8月10日から始めた機材、資材の搬入作業、設営作業は午後3時過ぎには終えるようにした。これらの対策の甲斐があって、「実行委員会」は、13日の初日を体調不良者を出すことなく迎えることができた。

「ビール早飲み競争」に挑戦する山谷労働者(8月15日、玉姫公園)
「ビール早飲み競争」に挑戦する山谷労働者(8月15日、玉姫公園)

8月13日、玉姫公園での夏祭りに突入

 

 山谷夏祭りの初日である8月13日、午前8時、東京・山日労と「実行委員会」の労働者は、玉姫公園に結集する。

 前日の12日までにステージや炊き出し用のカマド、調理台、屋台の設置は終了し、13日は、届けられる食材を使った炊き出しの準備から始まった。地域生協からの支援物資として届く野菜、果物、肉、豆腐、無料のカキ氷に使う氷などは、3日間鮮度を保持し、溶けないようにするために、ドライアイスが入ったクーラーボックスに移される。これらの食材が揃った時点で、炊事班が日除けテントのなかで調理を開始する。

 そして、午後5時半、玉姫公園のゲートが開かれ、公園の外周で待っていた300人を超える労働者が、一斉に入ってくる。炊き出しを受け取る労働者、無料のカキ氷、無料のウーロン・ハイのテーブルに向かう労働者で、玉姫公園は埋められていった。午後7時からは、毎年出演してくれている「東京大衆歌謡楽団」のコンサートが開催された。「東京大衆歌謡楽団」は、冷えた大量のビールやジュース類を差し入れてくれた。そして、「私たちが毎年山谷に来るのは、私たち自身が山谷の皆さんと同じようにふるさとを無くし、行き場を無くすという経験をしたからです。貧しい者がさらに苦しめられないように、お互い頑張りましょう」という挨拶を行ない、1時間にわたる熱唱を披露してくれた。「東京大衆歌謡楽団」のファンも玉姫公園に多数来場し、公園使用料が高額になっていることを聞き、カンパ箱には多くの支援カンパが寄せられた。

 中日の14日は、「実行委員会」メンバーの熱中症対策と疲労軽減のために、午後4時からの夏物衣類の提供と、午後5時半からの炊き出しのみが行なわれた。東京・山日労が山谷夏祭りの資金を作るために行なったターミナル駅でのビラまきで山谷夏祭りの開催を知った人々からは、多額の資金カンパや大量の物資カンパが寄せられた。野宿生活では衣類を洗濯して乾燥することも困難なことを知り、多くの衣類やクツなどが送られてきた。それらの支援物資を玉姫公園で配布した。衣類を受け取った労働者から「助かるよ」という声を受け、「実行委員会」は用意したすべての衣類を配布した。

 

全国寄せ場からの連帯メッセージ

 

 最終日の15日は、「実行委員会」が総力を集中する「本番」の日として、様々な企画が行なわれた。夕方5時半の炊き出し開始とともに山谷夏祭りを楽しみにしてきた労働者によって玉姫公園が埋め尽くされ中、東京・山日労の労働者がステージに立ち、2019年山谷夏祭りの基調を提起する。

 「7月の参院選で、安倍は、『憲法を変えるための論議をすべきだ』という『国民の審判を受けた』なぞと言っている。しかし、実際には、安倍・自民党は、有権者の16パーセントからしか得票していない。それでも『国民の審判』なぞと言うのは、安倍が労働者人民の声を聞く気なぞまったくないということだ。沖縄での名護新基地建設のゴリ押しも同じだ。秋の臨時国会では、安倍が翼賛野党を取り込んで改憲にむけて突っ走ろうとしている。『働き方改革』で労働者を犠牲にし、戦争に狩り出す攻撃を、日本の5000万人の労働者の最底辺に位置付けられている寄せ場・日雇い労働者が先頭に起って粉砕しよう。『2020年オリンピック』が近づくにつれ、山谷の日雇い労働者、野宿する労働者を排除する動きが強まるだろうが、山谷夏祭りのために力を合わせてきた労働者の団結があれば、跳ね返すことはできる。『反戦・反失業』の闘いをさらに強め、改憲と戦時国家体制作りを粉砕していこう」。

 続いて、同じ時期に夏祭りを開催している全国の寄せ場からの連帯メッセージが紹介される。

 「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」からは、「釜ヶ崎では、8月17日に、『夏祭り上映集会』を開催します。釜ヶ崎では、センターが建て替えを理由にして閉鎖され、労働者が雨をしのぐ場所、体を休める場所、仲間と交流する場所が大きく縮小しています。われわれは、『センター機能の縮小を許さん』『労働者を追い出すセンター建て替え案を許さん』と闘っています」「ストライキを『威力業務妨害』なぞとデッチ上げ、山口組、生コン経営者、警察権力が一体となった『関西地区生コン支部』への弾圧が連続しています。大阪地裁での公判闘争や毎週土曜日に闘われている大阪府警前での抗議行動に参加し、『関西地区生コン支部』の壊滅を狙う弾圧を粉砕する闘いに決起しています。こうした闘いを通して、安倍が『労働組合のない社会』『翼賛組合が戦争に協力する社会』を作ろうとする攻撃を許さない、『反戦・反失業』の闘い、闘う労働組合運動を釜ヶ崎で大きく作り上げていく決意です」。

 

山谷夏祭りの成功を寄せ場労働運動の前進へ

 

 福岡・築港日雇労働組合からは、「福日労は、『福岡日雇い団結夏祭り』の開催をもって、秋からの闘いに一丸となって撃って出る日雇い・野宿の労働者の団結を打ち固めていきます」「福岡市長・高島は、外国人観光客などの金を目当てにした政治を強めています。それによって、野宿する労働者に対する排除攻撃を強めています。これを許さず、闘って仕事をかちとる労働者の団結を何としても作り上げていかねばなりません。安倍は、秋の臨時国会で憲法9条に『自衛隊』を書き込み、『戦争を放棄する』と定めた憲法を、まったく逆の、『戦争をする』という内容に変えようとたくらんでいます。戦前のように、朝鮮―中国―アジアの労働者人民の虐殺に手を染めた歴史を再び繰り返さないために闘わねばなりません」。

 沖縄・首里日雇労働組合からは、「沖縄では、猛暑の中、名護新基地建設阻止をかけた頑強な現地闘争が展開されています。埋め立て工事全体から見れば、現在の工事の進捗率は、たったの〇・5パーセント程度に過ぎません。沖縄労働者人民の闘いがある限り、工事が完成することは絶対にありません。追いつめられているのは、政府―沖縄防衛局の側に他なりません。勝利のカギは、現地集中と実力闘争です。沖縄・首里日雇労働組合は、勝利に向かって、闘いの最先頭に起ち闘いぬいていく決意です」「沖日労は、『反戦』と『仕事寄こせ』の闘いを両輪として、失業も貧困もない沖縄、基地も戦争もない沖縄を目指して闘います。8月20日には、全国寄せ場の夏祭りと結びついて、『暑気払い団結交流会』を予定しています。安倍政府打倒に向けて、ともに闘いぬきましょう」。

 集会が終わると、恒例のビール早飲み競争が開始される。25人の挑戦者のうち、決勝戦に残り、優勝した労働者には、支援物資として送られてきた豪華景品が贈呈された。続いて、これも恒例の「スイカ割り競争」が行なわれた。一発で割る挑戦者もおり、割られたスイカはその場で切り分けられ、会場全体に配られた。次に行なわれたカラオケ大会では、日頃歌いこんだ〝一八番〟をそれぞれの出演者が披露して拍手喝采を浴びた。

 3日間の山谷夏祭りは、「反戦・反失業」を基調に闘う東京・山日労と「実行委員会」の奮闘が多くの山谷労働者に伝わり、猛暑の中で応援に入る労働者、カンパを寄せてくれる労働者が相次ぎ、大きく盛り上がった。猛暑が続く中、来場者の減少が懸念されたが、炊き出しの数も変わらなかった。7月の参院選で「消費税増税、改憲」を公約にした安倍政府への怒りは、山谷夏祭りへの支援カンパの拡大として表れ、「反戦・反失業」を闘う東京・山日労への期待がさらに拡大していることを感じさせる夏祭りとなった。東京・山日労は、この成果を寄せ場労働運動の更なる飛躍・前進、階級的労働運動の前進・拡大、安倍政府打倒にむかう隊列の拡大に結びつけることを決意している。