「日の丸・君が代」強制と処分反対!10・23通達撤廃!
2・9総決起集会
「包囲ネット」が集会基調
2月9日、午後1時30分から「都教委包囲・首都圏ネット(包囲ネット)」が主催する「『日の丸・君が代』強制と処分反対!10・23通達撤廃!2・9総決起集会」が「東京しごとセンター」地下講堂で開催された。この集会には現役・OBの教育労働者をはじめ約90人の労働者人民が参加した。
集会は、主催者である「包囲ネット」の青木氏の開会あいさつから始まった。青木氏は、「現在の政治的な情勢は、非常に寒い状況です。戦時中には、『どこまで続くぬかるみぞ』と言われました。今の安倍政権が延々と続く状況を見ていると、そういう言葉が現実の問題として感じられます。そういう状態を一つでも打ち破っていくことを目指して、今日の総決起集会を行ないます」と呼びかけた。
続いて、「包囲ネット」から集会基調が提起される。基調提起に起った見城氏は、「昨年、日本は天皇代替わりで大騒ぎし、大阪のある小学校では、民主主義と対極にある皇国史観に基づく集会が行なわれ、東京の八王子では、天皇奉迎に小学生が動員されました。天皇制イデオロギーの復活が公然と始まっています。戦前、警察による労働組合への弾圧は、繰り返し行なわれました。労働組合の権利は、民主主義の根幹だと思います。現在も安倍政治の下で、労働組合を否定する動きが出ている。ヘイトスピーチなども広がっている。これはファシズム的な動きです。そのため、今回は『関西生コン』への弾圧を取り上げることにしました。ファシズムへの警戒心と闘いを重要視していきたい」と提起した。
基調講演として、「関西生コン弾圧弁護団」の永嶋弁護士が、「『日の丸・君が代』強制と関西生コン労働運動つぶし攻撃」と題する基調講演を行なった。
「現場からの報告」
「関西地区生コン支部」を支援するカンパの呼びかけの後、「現場からの報告」が行なわれた。
「変形労働時間制と教育労働者の闘い」という報告を、「東京教組」副委員長の小田さんが行なった。小田さんは、「一年単位の変形労働時間制導入に反対です。一年中繁忙期である教員の長時間労働の改善にはまったくならない。週5日制導入以降、余裕のなくなった現場では業務を夏休みに移してきた。結果、夏休みも繁忙期になっている。『まとめ取り』なぞできない。『給特法』廃止にむけた闘いが必要になっている」。
「義務制の教育現場から」という報告を「多摩教組」の佐藤さんが行なった。佐藤さんは、「最近、組合の電話相談に非組合員からの電話が多く、内容は、パワハラが多い。これは、管理職に権限を与えすぎたためだ。今は、子どもに対応できなくなり、現場でやれなくなって、管理職になる人が多い。周りをまとめる力もないから裸の王様状態だ。そして一方的に『目標』を職員に求めるからパワハラになる。『働き方改革』も、職員の反対を無視して突っ走っている」。
「『天皇奉迎』に子どもを動員することに反対して闘う」という報告では、「河原井さん根津さんらの『君が代』解雇をさせない会」の根津公子さんが、「昨年4月に八王子市の3つの小学校に『天皇奉迎』をやらせたのは、八王子選出の萩生田議員と、彼の後援会の有力者で、町会自治会連合会の会長だったことがわかりました。10月の『即位の礼』後に新天皇が八王子の天皇の墓に報告に来ることがわかったので、再び子どもたちに『日の丸』の小旗を振らせないために、市教委、学校長、奉迎委員会に申し入れを行ない、12月3日、子どもたちの動員はありませんでした。引き続き、市教委に対する追及を闘います」。
「天皇『代替わり』を闘って」という報告では、「終わりにしよう天皇制ネットワーク(おわてんねっと)」の京極紀子さんが、「30年前の『代替わり』に比べ、天皇制の問題を後回しにして他のことをやっていることに違和感を感じ、2018年11月に『おわてんねっと』を立ち上げ、3年間やってきました。逮捕された3人も不起訴で奪還しました。2月23日に『解散討論集会』をやるので参加して下さい」と呼びかけた。
「国威発揚オリンピック・パラリンピックへの子どもの動員に反対する」という報告では、「世田谷区教組」の藤田さんが、「世教組は、昨年10月、区と区教委に、『暑さ指数31を上回る場合、中止すること』『すべての移動に区の予算でバスを使うようにすること』などの要請書を出したが、ろくな回答をしませんでした。再度、今年1月に『世田谷区として、すべてのオリ・パラ観戦及びボランティア活動を中止すること』という要請書を出しています。『オリ・パラ教育』は、教育への不当な介入です」。
「聖火リレー動員に反対する」という報告では、「オリ・パラ動員に反対する練馬の会」の池田さんが、「練馬には二つの自衛隊駐屯地があり、朝霞駐屯地は、射撃競技の会場にもなり、動員の拠点になります。練馬は、セレブレーション会場・聖火リレーの終点会場になります。これらの応援に子どもたちがかり出され、オリ・パラへの動員もあります。これに反対していきます」。
「集会決議」「特別決議」と行動提起
「『君が代』被処分者たちと高校の現場」という報告では、被処分者の川村さんが、「生活指導部に入っていますが、校長から『生徒会にオリ・パラのボランティアサポートチームを作れ』と言われました。自分の学校は、『スマートスクールの推進校』に指定され、教職員全員が反対しましたが、校長が決定しました。若手教員にスマホを使った授業などをやらせています。ICTパソコンを使うようにと要求されました。そこにはスタディサプリが入っており、教育企業の『ベネッセ』が請け負っています。都立高校は、民間企業に学校を売り渡しています。自分は、不起立で再任用は年金が出るまでで、その後は再任用も非常勤も認めないと通告されています。第五次訴訟が来年始まります。引き続き闘います」。
「自治委員会から」という報告では、新宿山吹高校の卒業生であり、「日本自治委員会」の平松さんが、「『日本自治委員会』とは、高校での生徒会に代わる新しい生徒自治運動です。昨年は、大学入試改革が問題になり、文科大臣の記者会見に出て、高校生と大学生が声を上げ、中止になりました。高校生の学校内での人権状況は劣悪です。オリ・パラの『ボランティアサミット』に参加しない場合は、その理由を求めています。千羽鶴も『無理やりやらされている』という反発があります。自分たちは、『東京トリエンナーレ』と名付けて高校の前でビラまきを続けています。ビラまきの初期のころは学校側からの弾圧もあり、警察も出てきたこともありました。生徒の声を聞いて学校運営をすべきです」と報告した。
最後に、「日の丸・君が代の強制に反対する集会決議」「東京五輪の観戦やボランティアなどに生徒たちを強制動員しないよう求める特別決議」の採択、卒業式でのビラまきと、子どもたちのオリンピック動員に反対する都教委要請行動の提起が行なわれ、集会を終えていった。
〈東京都地域連合労働組合〉