7・21「第9回『日の丸・君が代』問題等全国学習・交流集会」

 集会後、銀座デモを闘う労働者(7月21日、日比谷)
 集会後、銀座デモを闘う労働者(7月21日、日比谷)

7・21

「第九回『日の丸・君が代』問題等全国学習・交流集会」

 

 7月21日午前10時30分より、東京・日比谷図書文化館において「第9回『日の丸・君が代』問題等全国学習・交流集会」が開催された。この集会に、全国から124人の仲間たちが結集した。

 司会に起った仲間が、開会あいさつの中で、今年4月22日に、「文部科学省初等中等教育部長・永山」の名前で、安倍政府―文部科学省が全国「都道府県」教育委員会等に発送した「祝賀」強制の「4・22通達」を暴露する。前天皇・アキヒトの退位と新天皇・ナルヒトの即位に際しての「学校における児童・生徒への指導について」なる「通知」で、「国民こぞって祝意を表する意義について、児童・生徒に理解させるように周知させよ」、というものである。これに先立つ4月2日には、安倍政府が、ナルヒト即位当日である5月1日の国家機関や地方公共団体等での「日の丸」掲揚を閣議決定し、これを受けた文部科学省は、全国の教育委員会等に、5月1日の学校での「日の丸」掲揚を求める「通知」を出している。一連の攻撃は、全国の児童・生徒に、天皇制に忠誠を誓わせるためのものであり、「皇民化」教育そのものである。司会の仲間は、改めて怒りを表明して、本集会の開始を宣言した。

 新潟大学准教授の世取山洋介氏が、「『日の丸・君が代』と子どもの良心形成」と題する記念講演を行なった。

 全国各地で闘いぬいている教員たちが、次々に発言に起つ。

 「東京の闘い」の報告では、2007年~2009年の3年連続「停職6ヵ月」という、最も重い処分攻撃をかけられた根津公子氏は、卒業式での不起立に対する東京都教育委員会の不当処分の取り消し等を請求する「河原井・根津『君が代』裁判」の現状を報告し、「2008年事件」控訴審での東京高裁による「過去の処分歴(等)」を振りかざした不当判決を踏み越え、あくまでも闘いぬく決意を表明した。

 昼休みを挟み、午後の部に入る。「大阪の闘い」の報告では、「『日の丸・君が代』強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク(大阪ネット)」事務局の山田光一氏が、「意向確認書」を振りかざした大阪府下の教育委員会による「再任用」拒否攻撃との闘いの報告を行なう。「戒告」処分に対する共同訴訟に取り組む井前弘幸氏は、5月23日の大阪高裁で、自身が「戒告」処分取り消しの判決をかちとったことを報告した。その後、大阪で闘う仲間が次々に闘いの報告を行なった。中でも、新たにかけられた「皇民化」攻撃の実態の暴露に、注目が集まった。5月8日に大阪市立泉尾北小学校の民間人公募校長・小田村直昌が、「愛国の歌姫」を自称する歌手・山口采希を招いて、「天皇即位を祝う」とする全校児童に対する「新天皇即位記念児童朝礼」を実施していたのだ。この「朝礼」では、校長・小田村が、戦前の唱歌である「神武天皇」「仁徳天皇」や、「行くぞ! 日の丸」なる山口采希のオリジナル曲などを児童に聞かせて、悦に入っていたのである。闘う仲間は、「大阪維新の会」が牛耳る大阪府政の下で進行する天皇制強化の実態を暴露すると共に、現在、当事者である校長・小田村への追及行動を闘っていることを明らかにした。

 その後も、広島、宮城、千葉、神奈川、愛知、兵庫、福岡と、全国の闘う仲間が、続々と闘いの報告を行なった。また、集会に結集する市民・諸団体が、次々に報告に起つ。

 集会の最後に、司会の仲間が、「泉尾北小学校での『新天皇即位記念児童朝礼』に抗議する特別決議」と、集会決議を提起し、それぞれ参加者全体の拍手で採択された。

 集会後、日比谷公園に仲間たちが再結集し、銀座デモを闘った。

 デモ解散地の、東京駅付近の公園では、弾圧対策でデモに同行した弁護士が激励を行なった後、デモ参加者全体で再度のシュプレヒコールをあげ、この日の行動を終えた。

                           〈東京都地域連合労働組合〉