乾坤一擲(けんこんいってき)
「新型コロナウィルス」への感染が全世界に拡大している。3月11日、「世界保険機関」(WHO)は、「パンデミック(世界的大流行)」を宣言した。感染防止のために休業する企業、「サプライチェーン(供給連鎖)」が崩壊して操業停止に追い込まれる企業が増えるとともに、内定取り消し、「派遣切り」が始まり、「世界労働機関」(ILO)は、〝リーマン・ショック〟を上回る2500万人が失業する可能性があると警告している。▼安倍は、外国人観光客による消費・「インバウンド需要」に依存する日本経済を守り、東京五輪開催によって国威発揚の機運を高めて改憲に突撃するために、「新型コロナ」の国内での感染を隠蔽しようとした。しかし、隠蔽策は破綻し、「国際オリンピック委員会」(IOC)の最古参の委員から「東京五輪の中止もありうる」(3月24日、IOCは「一年程度の延期」を決定した)という発言が飛び出し、安倍は一気に窮地に追いつめられた。▼慌てた安倍は、アリバイ作りのために独断で全国の学校への休校要請を出すとともに、2012年に成立した「新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)」を改悪し、戒厳令にも似た「緊急事態宣言」を発令する権限を手中にした。これは、改憲で狙う「緊急事態条項」を先取りするものだ。▼翼賛野党は、安倍が「緊急事態宣言」発令の権限を手にすることを容認し、「野党共闘」に「展望」を見る勢力は、「特措法」改悪阻止の闘いを放棄した。▼「新型コロナ」を利用した翼賛体制の強化、改憲への突撃を粉砕する闘いが、今、決定的に重要になっている。「特措法」改悪阻止の国会前行動を引き継ぎ、全労交が先頭に起って闘おう。(木村)