12・28~1・5
越年・越冬突入集会」を皮切りに、「夜回り・人民パトロール」を闘いぬく
反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会
12・28「越年・越冬突入集会」を開催
釜ヶ崎では、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会(釜ヶ崎労働者の会)」が、12月28日、西成市民館で「越年・越冬突入集会」を開催し、その日の夜から1月5日までの9日間、「夜回り・人民パトロール」を貫徹した。
結集時刻の12月28日10時半ごろから会場を満杯にする仲間が集まり、11時より「越年・越冬突入集会」を開始する。はじめに全体でシュプレヒコールをあげる。「越年・越冬闘争を闘うぞ!」「一人の野垂れ死にも許さんぞ!」「野宿の仲間への襲撃を許さんぞ!」「センター縮小攻撃粉砕!」「寄せ場解体攻撃と対決するぞ!」「関西地区生コン支部への弾圧を粉砕するぞ!」「2020年寄せ場春闘を闘うぞ!」。
全国各寄せ場からの連帯メッセージ
次に全国寄せ場からの連帯メッセージが、司会より読み上げられる。
東京・山谷日雇労働組合からは、「翼賛労働運動を許さない、階級的な労働運動を作り上げるためには、最底辺に位置付けられた寄せ場・日雇い労働者の闘いと団結が何よりも重要だ。越年・越冬闘争をやりぬき、2020年の階級攻防の最先頭にわれわれ寄せ場・日雇い労働者が起とう」「1月12日には、山谷・玉姫公園で、天皇主義右翼ファシスト=金町一家に虐殺された佐藤さん、山岡さんの無念を我がものとし、金町一家への報復を決意する『日雇い労働者全国総決起集会』とデモを闘う。仲間たちの圧倒的な結集を」。
福岡・築港日雇労働組合からは、「われわれ日雇い労働者は、最底辺に位置付けられ、失業と野宿、野垂れ死にを強いられているが、『働いて、飯を食い、生きてゆく』という労働者の原点は、何もかわりはしない。越年・越冬闘争で、労働者の団結をさらに強め、反戦と反失業の闘いを前進させる決意だ。2020年、安倍政府打倒、改憲阻止、『仕事よこせ』の闘いに勝利しよう」。
沖縄・首里日雇労働組合からは、「沖縄に蔓延する低賃金・長時間労働・不安定雇用―その結果としての貧困も、基地の存在・強化と根は一つだ。差別に貫かれた日帝の統合支配がもたらしたものだ。これを打ち破る闘いの先頭に、日雇い労働運動が起っていかねばならない。沖日労は、12月31日から新年1月2日まで、越年闘争に取り組む。そこで培った団結の力で、新基地建設阻止をはじめとする新たな年の『反戦・反失業』の闘いに撃って出ていく決意だ」。
参加者から大きな拍手が送られた。
「釜ヶ崎労働者の会」が基調提起
「釜ヶ崎労働者の会」から集会の基調が提起される。基調では、第一に、「西成特区構想」に基づく「センター機能縮小」攻撃を許さず闘うこと、「センター」建て替えを理由にした野宿をしている労働者の叩き出しと対決し闘うことが提起された。すでに「まちづくり検討会議」が現在の「センター」の敷地の北半分を「屋台村」にし、南側に労働施設を集約すると決定したと報道されている。10月にも「センター」解体工事に着手し、それに向けて野宿労働者叩き出しが強行されようとしている。暴動に決起し、資本家と行政による寄せ場・日雇い労働者使い捨て攻撃と対決してきた寄せ場労働運動の底力を爆発させ、「センター機能縮小」攻撃を粉砕しなければならない。第二に、「関西地区生コン支部」への不当弾圧を許さない闘いを闘うこと、裁判の傍聴や大阪府警に対する抗議行動への結集が呼びかけられた。近々の行動として元旦に行なわれる大阪府警包囲デモ、1月14日、17日の大阪地裁での裁判の傍聴への結集も提起された。第三に、釜ヶ崎での越年・越冬闘争の取り組みとして12月28日から1月5日までの間、おにぎりを作り、カイロ・風邪薬・軍手・防寒着などをもって、「夜回り・人民パトロール」を行なうことが提起された。資金集めのための街頭カンパ活動への協力も訴えられる。基調提起の最後に、越年・越冬闘争のスローガンが参加者全体の拍手で確認される。
続いて、カレーで腹ごしらえをした後、映画「山谷(やま)―やられたらやりかえせ」が上映された。この映画は、山谷の労働者が天皇主義右翼ファシスト・国粋会金町一家と体を張って闘う攻防などを描いたものだ。映画は、「佐藤満夫監督と当時の山谷争議団の中心メンバー・山岡強一氏が金町一家に虐殺された」「以来、山谷労働者は、報復を貫徹し、金町一家を解体するまで闘いぬくことを誓い合い闘いぬいてきた」「仲間を殺されて、報復しない組織が敵に勝つことはない。このことを肝に銘じて闘わねばならない」「政府の戦争突撃の中で跳梁する天皇主義右翼ファシストを絶対に許してはならない」と提起する。
冬は、資本からみて利用価値の無くなった労働者を路上で殺していく時期である。そんなことを絶対に許してはならない。司会より「緊張感を持って一人の野垂れ死にも許さない闘いをやろう」と「夜回り・人民パトロール」への参加が呼びかけられ、「団結ガンバロー」で集会は終了した。
12・28―1・5「夜回り・人民パトロール」を闘いぬく
釜ヶ崎では、ドヤ(簡易宿泊所)にも泊まれずアオカン(野宿)せざるをえない厳しい失業状況が続いている。現金仕事はあっても顔付けが横行し、スマートフォンや携帯電話を持たない労働者、高齢者は、現金仕事にありつけない。このような状況は、「センター」の仮移転後ますます進行している。大阪市は、越年対策事業として「臨時宿泊所」を開設しており、釜ヶ崎地域内のシェルターとケアセンター(三徳寮)が越年期の「臨時宿泊所」となっている。しかし、「センター」周辺には約四○人の労働者が野宿をしている。年末年始は「釜ヶ崎に行けばなんとかなる」と集まってくる労働者がいたが、昨年までとは違い、九日間を通してほとんど野宿する労働者の人数が変わらなかった。「センター」閉鎖―仮移転が行なわれたことによって、「居場所がないのではないか」と危惧した労働者が来なかったのではないか。
われわれは、「センター」が年末に閉まる12月28日から、人民パトロールを開始した。街頭カンパ活動で配布したビラをみて連日衣類などのカンパ物資が「釜ヶ崎労働者の会」に届けられた。人パト隊は、ビラ、おにぎり、カイロ、軍手、防寒着、風邪薬などをもって回っていく。まず、センター周辺で野宿している労働者のもとを回る。温かいおにぎり、カイロを渡すと「ありがとう」「助かる」という声が返ってくる。第二弾の人パト隊は、山王商店街のアーケードや日本橋方面、恵美須町駅周辺などで遅い時間に野宿をしている労働者の所を回った。約20人。ここでも、温かいおにぎりに「助かった」という声が返ってきた。ビラを渡し、体調確認をし、「がんばってください」と呼びかけていった。最終日の1月5日は、豚汁を配った。
2009年以降、釜ヶ崎では日雇い・野宿労働者の生活保護受給の急増で、「臨時宿泊所」入所者数が大幅に減少した。しかし、今年も約60人の労働者が釜ヶ崎周辺で野宿を強いられている。越冬期間中、われわれは、九日間にわたっておにぎり作りを行ない、「一人の野垂れ死にも許さない」と越年・越冬闘争の「夜回り・人民パトロール」を貫徹した。昨年から「寒い時期は、週一回でも夜回りをやっていこう」と引き続き取り組んでいる。越年・越冬闘争で培った団結をさらに強化し、2020年も「反戦・仕事よこせ」の闘いを全国の寄せ場の仲間と共に闘いぬく。
大阪府警に抗議する元旦行動に300人超が結集
連日越年・越冬闘争を闘う「釜ヶ崎労働者の会」の仲間は、1月1日に、開催された「労働組合つぶしの大弾圧を許さない元旦行動―大阪府警グルグルデモ」に参加した。午前10時、大阪城公園教育塔前広場集会が開始される。主催者として「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」の樋口実行委員長があいさつした後、関生支部坂田副委員長から支援のお礼と経過報告がなされ、闘う決意が表明された。さらに、「京滋の会」「東海の会」、「若狭の原発を考える会」、自治体議員などから連帯あいさつがあり、会場カンパがよびかけられる。ロックアクションの即興での演奏、「郵政ユニオン」や「辺野古に絶対基地を作らせない大阪行動」の有志による替え歌、結集した団体からの発言が続く。集会後は、大阪府警を一周するデモでコールやシュプレヒコールを叩きつける。デモ終了後、主催者から行動提起(近々の裁判の傍聴の呼びかけ)がなされ、この日の行動を終えた。参加した仲間から、「不当弾圧を許さんぞという怒りで一体感を感じた、元気の出るデモだった」と感想がよせられた。
「釜ヶ崎労働者の会」は、この元旦デモをかわきりに、経営者、警察、ヤクザが結託し、関西地区生コン支部をつぶそうとする攻撃を粉砕するために、裁判の傍聴、大阪府警前での抗議行動を継続して取り組んでいく。