11・16 「声をあげよう!弾圧許すな! 全国集会―当たり前の市民運動・労働運動を守ろう!―」
11・14和歌山県警による「強要未遂」デッチ上げ、副委員長・Y氏、執行委員・N氏の不当逮捕弾劾
11月16日午後2時から、大阪・西梅田公園において、「声をあげよう!弾圧許すな!11・16全国集会実行委員会(実行委員会)」の主催で、「声をあげよう!弾圧許すな!11・16全国集会―当たり前の市民運動・労働運動を守ろう!―」と大阪地裁までのデモが、1200人の結集で闘いぬかれた。
この日の闘いは、2018年8月に始まった「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関西地区生コン支部)」に対する大規模弾圧に対して、全国結集で反撃する闘いとして取り組まれた。この日の闘いには、大阪地裁での公判闘争や、毎週土曜日の大阪府警抗議行動に起ち上がっている「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」も結集し、共に闘いぬいた。
午後2時からの集会は、「森友学園問題」を最初に追及した豊中市議・木村真氏と市民団体世話人の荒木淳子氏が司会に起ち、開始された。開会挨拶を行なった木村氏は、集会の二日前の11月14日、和歌山県警が、「関西地区生コン支部」の副委員長・Y氏、執行委員・N氏に対して「強要未遂」容疑をデッチ上げて不当逮捕したことを報告し、弾劾した。この弾圧は、「関西地区生コン支部」の事務所にヤクザを差し向けた「和歌山県生コン協組」に抗議をしたことが「強要未遂」「威力業務妨害」とされ、今年7月に書記次長など組合役員三人が不当逮捕されているが、Y氏、N氏は、この抗議行動を「共謀した」という理由で不当逮捕されたのだ。全国集会の直前の逮捕は、全国集会の破壊を狙ったものであることは明かだ。絶対に許すことはできない。集会参加者は、不当弾圧への怒りを新たにして集会に集中した。
7人の集会呼びかけ人を代表して「フォーラム平和・人権・環境共同代表」の藤本泰氏が主催者挨拶に起ち、「労働組合の団結権、団体交渉権、争議権は、誰も侵害できない。労働組合がストライキを闘っても、刑事、民事の責任は問われない。『関西地区生コン支部』への弾圧は、闘う労働組合は『気に入らない、ジャマな存在だ』ということで強行されている。みなさんと共に勝利まで闘います」と弾圧への反撃の決意を述べる。続いて、「全日本建設運輸連帯労働組合」の委員長・菊地進氏が登壇し、「関西地区生コン支部」の武洋一書記長とともに被弾圧当該二人も壇上に立った。菊地氏は、11・14弾圧を弾劾し、「10月21日、大阪府労働委員会で、『関西地区生コン支部』に所属する日々雇用労働者を就労から排除してきた生コン輸送会社に対する『就労排除と団交拒否は不当労働行為』という勝利命令をかちとった。この勝利命令を力に攻勢に転じる。『支援する会』を全国に広げる。来年2月にはシンポジウムを開催する」と、反撃の決意を明らかにした。
「沖縄平和運動センター」議長・山城博治氏が反撃の闘いの決意、
次に、集会呼びかけ人の一人でもある「沖縄平和運動センター」議長・山城博治氏が登壇する。山城氏は、「こういう弾圧で萎縮してはなりません。『関西地区生コン支部』への弾圧は、『他人事』ではないはずです」と話始め、続いて、闘いの現場で歌っている「沖縄、今こそたちあがろう」を集会参加者と一緒に歌う。そして、「『関西地区生コン支部』は、辺野古新基地建設阻止の闘いにとって、かけがえのない支援団体です。『関西地区生コン支部』は、生コン車に横断幕を張り、闘いの現場に来てくれました。辺野古でも、立っていれば『公務執行妨害』、おばーが痛いと手を振り上げれば『暴行』で逮捕、どうなっているのかと思う。天皇がもうひとつ戦果を挙げるために、20万人の沖縄の命が犠牲になった。宮古島では、弾薬庫建設阻止が闘いぬかれています。われわれは、本格的に進む辺野古への埋め立て工事、南西諸島への自衛隊配備を許さず、沖縄や南西諸島が戦争の最前線にされることに反対して断固として闘います」と決意を明らかにした。続く「『表現の不自由展・その後』をつなげる愛知の会」の高橋良平氏は、「この問題は、日本のアジア植民地支配、天皇制が根本問題だ。名古屋市長・河村は、再開された『表現の不自由展・その後』に対して、『陛下への侮辱を許すのか』というプラカードを持って会場前で座り込みをやっている。許さない」と、闘いの決意を述べた。
集会決議を上げ、大阪・梅田の繁華街から大阪地裁に向けたデモを闘う
集会は、その後、「弾圧止めろ!」「民意を守れ!」と書かれたボードを集会参加者全員が掲げてアピール行動が行なわれ、カンパ要請、辺野古基地建設阻止などの闘いに参加しながら歌や踊りで連帯活動を行なっている川口真由美氏のミニコンサートが行なわれた。
そして、弁護団からの報告の最初に「大阪労働者弁護団」の中井雅人弁護士が起ち、「延べ89人が逮捕され、延べ73人が起訴されている。そもそも、この弾圧は、刑事事件にするようなものでないことばかりだ。勾留の長さも異様だ」と弾劾した。さらに、「勾留445日に及ぶ武建一委員長と先日接見した際、武委員長は自分の事件そっちのけで同房の外国人たちの処遇改善に取り組んでいることを訴えていた」と報告した。次に、「週刊実話提訴弁護団」の大口弁護士が、「『関西地区生コン支部』への弾圧は、改憲を先取りする弾圧であり、『反社会集団』というレッテルを貼って闘う労働組合を潰す攻撃だ。『週刊実話』に対する闘いを通して皆さんと共に闘う」と決意を明らかにした。さらに、124人の連名で「関西地区生コン支部」に対する弾圧に抗議した自治体議員が次々と発言に起った。
集会の最後は集会決議だ。「この一年間、関西四府県の警察本部は関生支部の延べ89人(組合に協力する事業者を含め)を逮捕し、検察は延べ73人を起訴している。委員長には六回、副委員長には七回の逮捕をくり返し、拘留期間は1年3ヵ月に及んでいる。労働組合であるのに、担当課は暴力団に対応する組織犯罪対策課、その手法は暴力団つぶしのやり方という前代未聞の違法・不当な弾圧である。企業に労働基準法、労働安全衛生法、道路交通法などの法令順守を求めたり、ストライキ、正社員化要求が威力業務妨害、恐喝・強要の刑事犯罪とされている。刑事免責であるはずの正当な団体交渉、抗議、争議行為が犯罪となれば労働組合が勝ち取ってきた権利が失われてしまう。まさしく労働組合全体の問題である。この間、あまりにひどい労働条件に自動販売機業界で、コンビニで、高速サービスエリアで抗議のストライキが行なわれている。トランプのアメリカでもアマゾンで、GMでストライキが闘われた。世界では当たり前のことだ。日本ではこれが『犯罪』とされる、断じて許してはならない」との決議(案)が提案され、会場全体からの拍手と「異議ナシ」の声で確認された。「実行委員会」事務局長で全港湾の小林勝彦氏が閉会挨拶を行ない、集会は、吹き付ける寒風をものともせず、熱気を会場全体に充満させて終了した。
午後4時、いよいよデモ出発だ。1200人のデモ隊は、大阪駅から大阪地裁までの梅田繁華街を元気にデモ行進し、沿道からの圧倒的な注目を浴び、最終地点では大阪地裁に向かって「弾圧を今すぐやめろ!」「無罪判決を!」とシュプレヒコールを轟かせた。
〈反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会〉