集会と炊き出しで日雇いメーデーを闘う

「反戦・反失業を闘うぞ」とシュプレヒコール(5月1日、与儀公園)
「反戦・反失業を闘うぞ」とシュプレヒコール(5月1日、与儀公園)

集会と炊き出しで日雇いメーデーを闘う

 

沖縄・首里日雇労働組合

 

与儀公園でメーデー集会

 

 「コロナ禍」が全国を覆うなか、2021年メーデーを迎えた。沖縄では、沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)が、那覇市内での集会と炊き出しで、日雇いメーデーに取り組んだ。これに約70人の労働者が参加した。

 正午、赤旗が翻る与儀公園で、メーデー集会が開始される。「新型コロナ」対策のため、参加者全員にマスクが配られ、検温が行なわれる。密集を避けて相互の距離を2メートル以上とるよう呼びかけられる。「『新型コロナ』を口実とした解雇、雇い止め、賃金カットを許さないぞ」、「野垂れ死に攻撃を粉砕するぞ」、「闘って仕事をかちとるぞ」、「日雇いメーデーを闘うぞ」。

 シュプレヒコールに続いて、集会に寄せられたメッセージが紹介される。

 東京・山谷日雇労働組合からのメッセージは、「おれたちは、『コロナ、暑さ対策、オリンピックで仕事を奪うな!』を掲げて、玉姫公園での集会と山谷一周デモでメーデーを闘う。東京都に対して、『5月の連休に、ドヤを使って三食付きの緊急宿泊をやれ』と要求し、4月30日から5月6日朝までの緊急宿泊を実現させた。『コロナ解雇』と『コロナ感染死』を許さないために、今こそ、『反戦・反失業』を闘ってきた日雇い・野宿労働者が、すべての労働者の先頭に立って菅政府や資本家たちの攻撃を打ち砕こう」というものだ。

 「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」からは、「本日のメーデーを、センター前から釜ヶ崎一周デモで闘う。安倍政治を引き継ぐ菅政府は、労働者人民の生命と生活を守ることを二の次、三の次にし、『コロナ危機』に直面する資本の救済と改憲強行に向けた東京五輪開催に必死になっている。打倒あるのみだ。センター機能縮小・寄せ場解体攻撃と対決し、センター周辺で野宿している仲間の叩き出し攻撃を許さず闘う。共に頑張ろう」。

 福岡・築港日雇労働組合からは、「メーデーにあたり、福岡市役所前での集会と炊き出しに取り組む。福岡でも外国人観光客が福岡に来ることをあてにした経済政策が破綻し、バス会社をはじめ、多くの業種で『コロナ解雇』が増えている。団結した闘いで労働者の命を守り、『コロナ解雇』を粉砕していく。また、佐世保での『水陸機動団』の強化、佐賀空港へのオスプレイ配備計画など、戦争に向けた動きを打ち砕く反戦の闘いをさらに強める決意だ。ともに頑張ろう」というメッセージが寄せられた。

 

沖日労から提起

 

 次は沖日労からの提起だ。配布した資料を基に、執行部の仲間が発言する。仲間は、「ここ数年、沖縄の失業率は全国平均を下回り、盛んに『改善』『好転』が言われてきた。ところがこの1月~3月期には、それが3・〇パーセントとなり、またも『全国最下位』に舞い戻ってしまった。沖縄の雇用情勢が、『新型コロナ』の感染拡大を受けて、全国以上に急激に悪化していることを示すものであり、『非正規雇用』が多い沖縄の雇用環境の脆弱性を明確に示すものだ」、「今や多くの労働者が激しい賃金カット、解雇、雇い止め、派遣切りの攻撃に晒されており、政府や資本家たちの姿勢は、『コロナ感染』で死ぬか、『コロナ解雇』で死ぬかを労働者に迫っているかのようだ」、「反失業の闘いを続けてきた日雇い労働運動が、今こそ先頭に起って、『コロナ解雇』を許さない闘い、『仕事よこせ』の闘いを強力に推し進めていこう」、「行政が責任をもって仕事を確保する『公的就労対策事業』の沖縄での実施を求めて、沖縄労働局、沖縄県、那覇市に対する要請行動を強めよう」と訴えた。

 さらに執行部の仲間は、「同時に、反戦の旗を高く掲げ、沖縄からの全基地撤去、全軍隊撤退を求めて行動を強めていく必要がある」、「とりわけ名護新基地建設阻止の闘いは、決定的に重要だ。大浦湾に広がる軟弱地盤の改良工事を強行するために、政府―沖縄防衛局が出した『設計変更申請』の判断期限が迫りつつある。『工事の本丸』である大浦湾に手をかけることを許すのか否か。闘いはいよいよ正念場だ」、「沖日労は、新基地建設阻止をかけて、辺野古現地の行動に組合員が交代で取り組んできた。今後、いっそう現地集中を強化していく必要がある。ともに現地行動を闘いぬこう」と訴え、最後に「沖日労の旗のもと、失業も貧困もない沖縄、基地も戦争もない沖縄をめざし、団結して闘おう」と呼びかけた。

 シュプレヒコールで集会を締めくくり、次は炊き出しだ。それは、『コロナ禍』の大型連休で、仕事もなく、泊まる金も、食う金もない仲間たちの命を守るためだ。整理券が配られる。行列を作らなくても済むようにするためだ。メニューは鶏唐揚げカレー弁当だ。併せて配られたプリンや乳飲料などは、辺野古を闘う仲間が提供してくれたものだ。辺野古を闘う看護学教員の方々も会場に足を運んでくれて、医療相談に乗ってくれた。

 われわれは「コロナ感染死」の強制も、「コロナ解雇」による野垂れ死にの強制も許さない。メーデーで培った団結の力で、反戦・反失業の闘いのさらなる前進を切り拓いていく決意だ。